よくあるご質問

これまでにお問い合わせのあった質問をまとめました。

エイブル・アート・ムーブメントはいつはじまったのですか?

1995年に、奈良にある財団法人たんぽぽの家が提唱し、生命力を失いつつある現代社会に生きる人たちが、アートを通して人間性を恢復(かいふく)させ、 さらに芸術と社会の新しいコミュニティーを築いていく市民芸術運動としてはじまりました。


エイブル・アート・ムーブメントの「エイブル・アート」とはどういう意味ですか?

エイブル・アート・ムーブメントは運動です。ですので、その活動の内容の変動にしたがい、「エイブル・アート」という言葉のもつ意味も変動しています。エイブル・アートは、「可能性の芸術」と言いかえられるかもしれません。エイブル・アート・ムーブメントで最初にしたことは、新しい視座で「障害者アート」を見直す作業でした。障害のある人たちの表現をきちんと評価する、そして障害のある人たちの表現を通して、現代に生きる私たちが忘れてしまった感性を呼び覚ますというものでした。、そのために、「できない」とされていた、障害のある人たちを「できる」という視点から捉え直す。できないことばかりをみるのではなく、もっている可能性に焦点をあてていく。そして、障害のある人たちのアートを<可能性の芸術>としてとらえると同時に、障害のあるなしにかかわらず、すべての人の可能性をみていく。当初はそのような文脈における「可能性」という意味合いを強くもっていました。現在は、「可能性感覚―現実という固定した枠組みからの超出をうながす意識・思考」 という意味合いが強くなっています。


エイブル・アート・ムーブメントは誰がすすめているのですか?(どこで発信されているのですか?)

エイブル・アート・ムーブメントの提唱者である、財団法人たんぽぽの家と、そのネットワーク組織であるエイブル・アート・ジャパンが中心となってすすめています。
エイブル・アート・ジャパンは、東京に事務局をおく「社会の芸術化、芸術の社会化」をキーワードに活動するNPO(民間非営利組織)です。
また、エイブル・アート・ムーブメントの理念を共有する、国内外のさまざまな団体とネットワークをつくり、協働しています。


エイブル・アート・ムーブメントでは、今どんなことがおこなわれていますか?

こちらのウェブサイトをご覧いただくか、財団法人たんぽぽの家までお問い合わせください。ご希望の方にはご案内を送付させていただいます。また、エイブル・アート・ジャパンの会員のみなさまには、研究会やフォーラム、イベントのご案内を随時お送りしています。確実に情報を手に入れたい、運動を支援したいという方は、ぜひご入会ください!


誰でも「エイブル・アート」という言葉を使うことができますか?

「ABLE ART」「エイブル・アート」は財団法人たんぽぽの家の商標登録です。展覧会やプロジェクトなど公の場面でこれらの言葉をご使用になる際には、財団法人たんぽぽの家または、エイブル・アート・ジャパンまでご相談ください。


「エイブル・アート・ムーブメントに参加したい!」と思ったらどうすればいいですか?

エイブル・アート・ムーブメントは運動のため、誰でも、その運動の担い手になることができます。財団法人たんぽぽの家や関連団体による研究会やフォーラムに参加する、イベントのボランティアをするなど、参加の形態も興味に応じ、いろいろと選択することができます。
また、「エイブル・アート・ムーブメントをはじめた、たんぽぽの家ではどんなことをしているの? そのやりかたが知りたい、自分も福祉の現場でアート活動をやってみたい」など実践に興味がある方には、たんぽぽの家が主催するの「福祉におけるアート化セミナー」がおすすめです。
こんなことがしたいのだけど、何に参加したらいいのかわからないという方は、お気軽にたんぽぽの家までご相談ください。


エイブル・アート・ムーブメントのネットワークってなんですか?

たんぽぽの家は、エイブル・アート・ムーブメントの理念を共有し、同じミッションのもとで、共同して事業を行っている団体とネットワークをつくっています。 共同で研究会やフォーラムを開催したり、展覧会などを行うことがあります。


エイブル・アート・ムーブメントと障害者アート、アール・ブリュット、アウトサイダー・アートの違いはなんですか?

「エイブル・アート・ムーブメント」は、運動であり、特定の作家や作品を指す語ではありません。また、芸術におけるカテゴリーのひとつでもありません。 一方、「障害者アート」は、障害をもつ人が制作したアート作品を指す言葉として近年よく用いられています。
「アール・ブリュットArt Brut」は フランスの画家ジャン・デュビュッフェの造語です。日本では「生の芸術」と訳されています。デュビュッフェは主に精神病患者の芸術表現に強い関心を持ち、スイスやフランス各地の精神病院、監獄などを訪れ、そこで制作された作品を蒐集していました。そして、そのコレクションをもとに、1949年に展覧会「文化的芸術よりも、生の芸術を」を開催しました。そのパンフレットには「アール・ブリュットは、芸術的訓練や芸術家として受け入れた知識に汚されていない、古典芸術や流行のパターンを借りるのでない、創造性の源泉からほとばしる真に自発的な表現」と書かれています。スイスのローザンヌにある、アール・ブリュット美術館では、アール・ブリュットの視点から集められた作品がコレクションされています。
「アウトサイダー・アートoutsider art」とは、もともとはイギリスの著述家ロジャー・カーディナルが「アール・ブリュット」を、英訳したものです。しかし、その「アウトサイダー」という語の持つ意味から、特に芸術の伝統的な訓練を受けていない者が制作した作品をひろく指す語として用いられるようになりました。
日本では、現在でも「アウトサイダー・アート」と「アール・ブリュット」は同義語として用いられることもあります。


エイブル・アート・ムーブメントについてもっとよく知るためにおすすめの本はありますか?

財団法人たんぽぽの家や、エイブル・アート・ジャパンでは、複数の書籍を発行しています。
また、近刊では、5年間にわたる舞台芸術プログラム「エイブルアート・オンステージ」をとりあげた、『生きるための試行 エイブル・アートの実験』(エイブル・アート・ジャパン+フィルムアート社 編
B5判変型/160頁¥1,890(税込))、エイブルアート・オンステージ国際交流プログラム
「飛び石プロジェクト」戯曲集『血の婚礼』『Stepping Stones』があります。
関連書籍一覧は、たんぽぽBOOK STOREからご覧いただけます。(ご購入も可能です。)