全国で活動する障害とアートに関わる、福祉施設、NPOや企業、行政、教育機関、そして関心のある人たちとネットワークを結び、協働して事業を行うことで、各地において障害のある人たちを取り巻く社会的状況の変革をはじめ、アートの社会的役割が認識され、広がること、そして継続されていくことをめざしてきました。
1つの事業がきっかけとなり、その後いくつものプロジェクトを協働で実施してきたネットワーク団体もあります。一つひとつの活動は小さくても、ネットワークすることで社会を変えていく力になることをめざしています。
これまでの活動例
トヨタ・エイブルアート・フォーラム
トヨタ自動車とエイブル・アート・ジャパンに加え、各地で福祉やアート、教育など多様な立場の人たちからなる実行委員会を組織し、この3者が一体となって運営にあたりました。1996年から2007年までの7年間にわたり、34地域、計63回のフォーラムを実施しました。全国にエイブル・アート・ムーブメントの種をまいただけでなく、障害とアート、社会とアートに向き合うNPOとして、多くの団体が活動を継続・発展ししています。
※参照『トヨタ・エイブルアート・フォーラム総合セッション講演録「アートは社会の未来への投資』(発行:トヨタ自動車株式会社)
ろうきんグッドマネープロジェクト「エイブルアート・近畿〈ひと・アート・まち〉
アートをまちで人間的で豊かな空間にしようという、市民による実験的なプロジェクトです。近畿ろうきんと財団法人たんぽぽの家の協働で2000年度からスタートしました。近畿2府4県を巡回しながら、各地域のアートNPOや福祉団体、教育機関等と連携し、アートプロジェクトを実施してきました。
明治安田生命社会貢献プログラム「エイブルアート・オンステージ」
障害のある人たちとアーティストが出会い、演劇、ダンス、音楽などの舞台芸術分野で、今までに見たことのない新しい舞台を創造することを目的とした舞台芸術プログラムです。障害のある人たちに表現する機会を提供するとともに、これまで出会うことのなかった人どうしが出会い、お互いのちがいを超えてコラボレーションすることをめざしてきました。「活動支援プログラム」では、2004年から2009年までの5年間に34グループを支援しました。
福祉をかえる「アート化」セミナー
全国の福祉施設においてアート活動を実践している人たち、実践したいと考えている人たちとともに、たんぽぽの家アートセンターHANAを舞台に、理念と具体的方法について学びあうセミナーを開催しています。2009年で7回目を迎えましたが、毎年約100人もの参加者が全国から集まり、情報交換やネットワークづくりの場になっています。福祉制度の変化や時代状況にあわせて、毎回タイムリーなテーマを設定しています。
エイブルアート・カンパニー
2007年に障害のある人がアートを仕事にできる環境をつくることを目的に設立されました。障害とアートを軸に活動してきた3つのNPOが共同で運営しています。また、障害のある作家や所属施設とのネットワークも構築しています。
国際交流
海外の先駆的な活動や作品に日本に紹介し、学びあう機会をつくったり、共同プロジェクトを行ったりすることで、刺激しあい、それぞれの活動が発展することをめざしています。
エイブル・アート・ムーブメントの運動の初期の段階では、とくにアメリカやイギリス等の欧米との展覧会での交流や人的交流を行ってきました。近年では、とくに中国や韓国をはじめとしたアジアの国々や地域との共同のプロジェクトが多くなっています。
これまでの活動例
エイブル・アート国際フォーラム
2001年に奈良で開催。フランス、アメリカ、韓国、イギリス、中国、ネパール、そして日本の7カ国から障害とアートに関する研究者、実践者が集い、2日間にわたり議論を行いました。
これまでの活動例
2010 | エイブル・アート日韓展「生きのびるためのアート 日韓展」(東京)、「病と人間の文化フォーラム」(東京) |
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2009 | 韓国・京畿文化財団との交流プロジェクト「ART LINK PROJECT」(奈良市、韓国・水原市) |
2008 | 「文化政策とCCD」セミナー(東京・大阪・福岡・神奈川・埼玉・浜松) |
2007 | アートリンク日米フォーラム(京都・東京) |
2006 | オーストラリア交流プログラム |
2005 | 愛・地球博「地球市民村」エイブル・アート パビリオン(愛知) 「アートとソーシャル・インクルージョン」アジアフォーラム(東京) |
2004 | 「アートとソーシャル・インクルージョン」フォーラム 「障害者アート」日韓フォーラム(韓国・奈良) |
2001~2002 | 魂の響き?エイブル・アート英国展(イギリス) |
2001 | エイブル・アート国際フォーラム(奈良) |
2000 | Group文字屋 英国展(イギリス) |
1997 | ABLE ART 国際会議(大阪) |
交流団体
- NIAD:アメリカ障害者芸術機関(アメリカ)
- クリエイティブ・グロース(アメリカ)
- クリエイティビティ・エクスプロ?ド(アメリカ)
- クリエイティブ・クレイ(アメリカ)
- VSAアーツ・コネクション(アメリカ)
- アーツ・イン・ヘルスケア学会(アメリカ)
- アクセス・アーツ(オーストラリア)
- プロジェクト・アビリティ(イギリス)
- フルサークル・アーツ(イギリス)
- リチャード・アッテンボロー・センター(イギリス)
- クレアム・インターナショナル(フランス・ベルギー)
- ヘーレンプラーツ(オランダ)
- 韓国障害者芸術協会(韓国)
- 韓国視覚障害者芸術協会 another way of seeing(韓国)
- パラダイス福祉財団(韓国)
- 上海市障害者連合会(中国)
- アーツ・イン・ホスピタル(香港)
- コミュニティ・カルチュラル・ディベロプメント(香港)
- Wataboshi Movement(シンガポール)
- タイ国障害児のための財団(タイ)
- サルボダヤムーブメント(スリランカ)
- イスラム孤児の家(インドネシア)ほか