01
「40周年記念わたぼうし音楽祭」
2015年8月2日(日) 開催 @奈良県文化会館
♪40周年記念わたぼうし音楽祭「作詩の部」「作詩・作曲の部」作品大募集中。詳しくはこちら。
1976年に日本のふるさと奈良で産声をあげ、全国各地、世界各国にしあわせの種を運び続けてきた「わたぼうし音楽祭」が、2015年に40周年を迎えます。障害のある人たちが書いた詩をメロディーにのせて歌い続け、ここから数々のドラマが生まれました。
スターもいない、大きなスポンサーもないこの音楽祭が、40年という永きにわたり継続できたことはまさに現代の奇跡といえるでしょう。
この記念すべき年を迎えることができますのも、皆さんのやさしさ、おもいやりの賜物と心より感謝申し上げます。
平和と友好に満ちた国際社会、ともに生きる地域社会の実現をめざして、「わたぼうし」はさらに広く、さらに深く飛んでいきます。
♪歌はこころとこころのかけはし
障害のある人たちが書く詩は、生きることの喜びや哀しみ、いのちの尊さや人間の素晴らしさを歌っています。そこには、人間として大切なものを忘れがちな、今の社会へのメッセージがあふれています。こうした思いをメロディーにのせて歌い、いきいきとした社会をつくろうと、1976年に古都奈良で「わたぼうし音楽祭」が生まれ、以来40年、「わたぼうし」は、学生、主婦、会社員といった市民たちによって歌い継がれ、多くの人々の共感を呼び覚ましてきました。
この音楽祭で生まれた歌の数々は、日本各地で開催される「わたぼうしコンサート」を通して紹介され、多くの人たちと心を響かせ合っています。また、こうした思いをアジアの人々と共有しようと、1991年から2年に一度、アジア太平洋各都市で「アジア・太平洋わたぼうし音楽祭」を開催しました。奈良で生まれた“わたぼうし”の小さな種は、風に吹かれて飛んで行き、国内外で色とりどりの花を咲かせています。
♪わたぼうしの誕生
「私たちが死んだ後この子たちはどうなるのだろう。子どもたちが社会の一員として、働き、学び、遊び、暮らすことのできる家をつくろう』。こうした思いを胸に、「たんぽぽの会」が古都奈良で産声をあげたのは1973年4月のことでした。障害のある子どもたちの母親らが立ち上がり、市民が応援して広がった、障害のある人たちの自立の家づくり運動は、多くの人々の共感を呼び、1980年にたんぽぽの家、1988年にわたぼうしの家、1998年にコットンハウス、2004年にアートセンターHANAを相次いで完成させました。
こうして運動をすすめる一方で、障害のある子どもたちが書いた「詩」に光をあてることができないかと考えていました。まるで生きる証しであるかのように書かれた詩は、生きることの喜びや哀しみが歌われ、生きる強さややさしさにあふれていました。それらはまた、そうしたものを忘れてしまいがちな社会へのメッセージでもありました。 たんぽぽの会が誕生した翌年、資金集めの一環で「チャリティー絵画展・墨跡展」を行ったとき、奈良県下の若者たちでつくる「奈良フォーク村」のメンバーの一人がボランティアとして手伝いに来ました。これが、詩を書くことの好きな障害のある子どもと音楽好きの若者をつなぎ、この偶然が「わたぼうしコンサート」誕生のきっかけとなりました。
♪わたぼうしが飛んだ空
1975年4月、奈良県文化会館大ホールで、初めての「わたぼうしコンサート」が開催されました。暗い、マイナーなイメージをもたれがちな障害者問題だからこそ、明るく、よりメジャーな舞台を選びました。そうしなければ、いつまでたっても障害者問題は解決しないからです。
詩を書くことの好きな障害のある人は全国各地にいます。彼らを奈良に招きいっしょに思いを伝えようと、翌年「全国わたぼうし音楽祭」を開催しました。大きなスポンサーもない、スターもいないのに、熱意だけで全国規模の音楽祭を開催することは冒険に近いことでした。しかし、多くの人たちの協力を得て、夢は実現したのです。
♪わたぼうし効果
「わたぼうしコンサート」という新しいカタチの運動は、これまでの社会の福祉にたいする暗いイメージを一新し、障害のある人たちの文化に光をあてるきっかけをつくりました。また、それだけでなく、若者たちを中心にそれまで障害者問題に無関心だった人たちの間で障害のある人たちへの意識が高まり、各地でさまざまなボランティア活動が生まれました。
しかし、何といっても大きかったことは、「わたぼうしコンサート」をきっかけに障害のある人たちが町に積極的に出はじめたことです。それまで障害のある人たちは、偏見と差別の前にたじろぎ、社会の無関心さに絶望を感じていました。しかし、このコンサートを通して、同じ社会の仲間として受け入れられ、未知なる可能性を評価してくれる人たちがいることを知ったのです。
♪広がるネットワーク
私たちが暮らしているアジア・太平洋地域には、約3億5千万人の障害のある人たちが生活しています。世界の障害のある人の過半数がこの地域で暮らしていることになります。また、この地域のほとんどの国々が開発途上にあり、障害者問題に加え、貧困という二重のハンディを背負っています。
私たちは、こうした環境に置かれた人たちとともに生きることをめざして、1990年に「アジアエイド基金」を設立し、「アジア・太平洋わたぼうし音楽祭」をはじめ、さまざまな支援活動を市民レベルですすめ、こうした試みが功を奏し、アジア太平洋各都市で障害者問題の取り組む新たな活動が誕生しました。
シンガポールに「Wataboshi Movement」、バンコクに「Network of Music and Arts of Persons with Disabilities」、マニラに「Ambassadors of Light」、スウォンに「Able-art Korea」が誕生し、アートを通して障害のある人たちの未知なる可能性を開花させています。
♪わたぼうしの歴史
1975 初めての「わたぼうしコンサート」を開催
1976 「第1回全国わたぼうし音楽祭」開催
※以降、毎年開催し、来年40回を迎える。
1977 「わたぼうし全国縦断コンサート」開始
1979 上海市盲童学校で音楽交歓会を実施
※これをきっかけに、上海市と障害のある人たちの芸術文化活動を通した双方向交流が始まる。
1980 「上海市盲童学校音楽バンド」来日公演
1981 「世界わたぼうし音楽祭」開催
パリ・ユネスコ本部で「わたぼうしコンサート」開催
1982 初めての「わたぼうし上海コンサート」開催
1991 「第1回アジアわたぼうし音楽祭シンガポール大会」開催
※以降、2年に1度、ソウル、上海、バンコク、奈良で開催する。
1992 「世界わたぼうし音楽祭」開催
上海で「わたぼうし芸術祭」開催
2001 「アジア・太平洋わたぼうし音楽祭2001高雄」開催
※以降、2年に1度、ブリスベン、上海、ジョホールバル、スウォン、バンコクで開催する。
2014 「第39回わたぼうし音楽祭」開催
2015 「40周年記念わたぼうし音楽祭」開催予定
♪募金キャンペーンにご協力ください
この「40周年記念わたぼうし音楽祭」を歴史に刻み、記憶にも心にも残る音楽祭とするために、募金キャンペーンを行うことにしました。どうぞ皆さんの力でこの音楽祭を盛り上げていただき、奈良から世界への魂のメッセージをともに発信してくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
◯募金の方法
*郵便振替 加入者名 奈良たんぽぽの会 01080−7−18542(通信欄に「40周年記念わたぼうし音楽祭」と明記してください)
*銀行振込 南都銀行 西ノ京支店 普通 0021196 奈良たんぽぽの会 会長 村上良雄