作品名 | 作詩者名 | 年齢 | 都道府県 |
「わか」というひと | 門 和佳 | 16歳 | 滋賀県甲賀市 |
水の言葉 | 小橋 辰矢 | 36歳 | 岡山県瀬戸内市 |
my load | 菅野 優希 | 15歳 | 岩手県陸前高田市 |
いつつの目 | 鈴木 諄 | 16歳 | 滋賀県甲賀市 |
涙の音 | 田中 志奈 | 17歳 | 山梨市 |
箱折り | 団野 利男 | 47歳 | 京都府城陽市 |
わたしを抱きしめた | 橋本美代子 | 62歳 | 滋賀県米原市 |
60兆個の細胞が | 吉福 秀一 | 57歳 | 神奈川県相模原市 |
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「わか」はいいかげん
べんきょうがいやなとき わざとねる
ときどき べんきょうを さぼる
ひとの はなしを ききながす
いわれたことを きかない
「わか」は わがまま
じぶんが きにいらないと おこる
かってなことを いう
とおくから あいにきた かぞくに「おそい!」という
まちどおしかったから
まいにち わがままほうだいだ
まわりを こまらせている
「わか」は かわいくない
め はな くち すきだけど かわいくない
かみは すこし かわいいとおもう
ひとは「わか」を かわいいというけど
それは うそだ
いわれると うれしいけど
じぶんでは そうおもわない
「わか」は がんばりきれない
ほんとうは がんばりきれないけど
みんなの きたいが わかるから
ひっしで がんばっている
やりきると ほっとするけど
もう やりたくないと おもう
ほんとうは べんきょうが きらいだ
しかたなく やっている
しないといけないことは わかっているから
「わか」は やさしい
じゅんばんを ゆずる「おさきにどうぞ」
おうえんしてあげる「がんばれ!」
しんぱいしてあげる「はやくげんきになって!」
「わか」は あかるい
おわらい だいすき いたずら だいすき
ふざけること だいすき えがおは まあまあ
よる ひとりで わらっているのは
そのひとのことを おもいだしているから
「わか」は みんなと なかよしになれる
ひとがすき でも おこるひとは きらい
なかよくなれない
どうぶつ だいすき むし だいすき
でも へびは きらい こわいものは きらい
「わか」は こわがりだ
「わか」は じぶんのこと どうおもう?
ぷかぷか ういている かんじ
いつもは きらいがでてきて
ときどき すきがでてくる
「こんなもんか」って つきあっていくしかない
いい「わか」に なりたいと おもう
もうすこしだ じぶんみがきだ
ぽつぽつ ぽつぽつ
水道管からこぼれ落ちるのはボクの言葉か
ボクは どもって うまくしゃべれないので
一滴一滴ゆっくり落ちてくる
あなたは そっと手を差し出して
こぼれ落ちる水を受け止めている
でも ボクは あなたの言葉を受け止めたことがない
勢いよく流れるあなたの言葉に手を差し出す勇気がなかった
ぽつぽつ ぽつぽつ
暗い空からこぼれ落ちるのは だれの言葉だ
傘を差したら ただの雨になりそうで
一滴一滴 体で受けてみた
くすっと笑うだれかの声や
びゅうんとうなる風が聞こえたような
まだ ボクは まわりの世界に目をむけてさえいない
いたるところにあふれる だれかの言葉を受け止めたい
世界を知りたい
あなたの言葉を受け止めよう
この胸で
なにかがはじまりそうだ
未来のために僕らは歩き出す
故郷から一人でも
あの日の涙を忘れない
心がつぶされて
立ち上がれない…
思い出を失って
みんな嫌になったけど
そんな時 仲間がいてくれた
ずっとそばにいてくれた
泣いて 笑って 共に叱られて
それでも決して後悔はしない
自分の未来みつけたから
my load
幸せのために僕らは歩き出す
たった一つの希望でも
父の言葉は忘れない
前を見てあるこう
希望をもっていけ…
何度も人にぶつかって
たおされたけど 苦しくても
母は僕を立ち上がらせた
ずっと信じてくれてた
僕にできること
道は長いけど
きっと最後に笑えるって
my load
邪魔されても
突き抜けるよ
探してたモノ
きっとあるはず
時間はかかっても
もういちどあの景色に
my load
ぼくは目が見えない
しかし 耳は聞こえる
においもかげる
話せる
しょくさつもできる
ほかの人の気持ちもわかる
目が使えなくてもほかの目でいろいろわかる
この いつつの目は音楽を聴ける
鼻は植物のにおいをかげる
口は食べ物の味がわかる
手はいろいろなものをさわれる
心は勉強を考えられる
人の気持ちを考えられる
この いつつの目を使い
学校の先生という夢をかなえたい
あなたは自分を愛していますか?
あなたは私を愛していますか?
私は自分が嫌いだった
音のない世界は私を孤独にさせる
みんな私を見て笑ってる
私から声を奪っていく
どんなに叫んでも気づいてくれない
どんなに願っても振り向いてくれない
だんだんと自分の存在が薄れていくように感じて
現実から目を逸らしたんだ
そんな私を孤独のなかから引っ張りだしてくれたのは あなた
現実への目を遮る私の手を握ってくれたのは あなた
私の声に気づいてくれた
私の願いを叶えてくれた
私は自分を愛している
あの日から
私はあなたを愛している
ねえ 知ってる?
あなたを愛したのは
あの日 あなたの涙が私の心に 音を響かせたからなんだよ
あなたは自分を愛していますか?
あなたは私を愛していますか?
今日も私の心に音が響く
一つ折り上げれば 二円の工賃
お菓子を詰めて売る 箱を折る仕事
頭にネットをかぶって 白い手袋をはめて
このお菓子を買った人は
箱のこと どう思うだろう
機械なんかで折ったんじゃないよ
一つ一つ大切に 人肌のぬくもりで
折り上げたんだ
時間が経つにつれて 早くなる
まるでロボットのように 人形のように
折り損じ しないために ピンと張りつめた空気
この箱を開けた時に
何か感じてくれるかな
綺麗な箱だと とっておいてくれたら
嬉しいのだけど
美味しいお菓子のために 心を込めて折ろう
機械なんかで折ったんじゃないよ
一つ一つ大切に 人肌のぬくもりで
折り上げたんだ
負けるものかと くちびるを
かみしめ 空を 見上げてた
真っ白な空 白い雲
だいじょうぶだよ がんばってるね
光が わたしを だきしめた
少しずつでも できること
増えてきたのが 嬉しくて
深呼吸する 風が舞う
しあわせになれ 笑って生きろ
風が わたしを 抱きしめた
わたくしなりに 生きていく
ちょっぴり強く なれました
みどりの森の 樹の香り
そのままでいい 優しく生きろ
樹々が わたしを 抱きしめた
60兆個の細胞が くっついたまま分裂し
ベッドの上の僕がいる 身動きできない僕がいる
70億の人間が 眠って起きてまた眠り
食器の音をかき鳴らし さざめきながら笑い合う
僕にはなんにもできはしない それでも驚き目を見張る
にやつきヨダレこぼしたり 天井見つめ欠伸(あくび)する
悲しみもないはずなのに 涙が出るのはなぜだろう
さんざん迷惑かけたのに お礼も言えないなぜだろう
60兆個の細胞が それぞれ記憶を持っていて
人と引き合いいがみ合う 人に惹(ひ)かれて黙り込む
ほんのわずかな声かけが むやみやたらと嬉しくて
空を見ててもじんとくる 風を聴いても泣けてくる
怒った顔をしていても 胸の底には「ありがとう」
傷つくことはあるけれど なんで言えない「ありがとう」
抱きしめたいのに腕がない 力が入る腕がない
指先さえも動かない ぴくりともせぬ指先だ
60兆個の細胞の すべてが君に満たされて
歓喜に震え涙する 人とのつながり感謝する