第36回わたぼうし音楽祭「作詩の部」入選詩決定!

 

3月19日・20日の2日間にわたり第36回わたぼうし音楽祭「作詩の部」の選考会を、約50人の市民選考委員の参加により行いました。全国から467作品が寄せられ難航した選考の結果、第36回わたぼうし音楽祭「作詩の部」入選詩が決定しました。現在、実行委員会では、入選詩にメロディをつける「作曲の部」、詩とメロディをセットで応募する「作詩・作曲の部」の作品を募集しています。あなたのメロディで、第36回わたぼうし音楽祭を演出してみませんか! あなたからのご応募、お待ちしています!

♪詳しい応募方法はこちら→http://tanpoponoye.org/info/2011/02/36.html

第36回わたぼうし音楽祭「作詩の部」入選8作品

Thanks my family

作詩:綾垣 葵[熊本市・15歳]

 

鮮やかな青空の下で みんながいる大地に

生まれてきた私を 待ってくれていた

My  family

 

でも楽しみに待ってくれていたのに

音というかけらを失ったまま

生まれてきてしまった

 

苦しませたね 辛くさせたね

悲しませたね ごめんね

 

でもみんなの心強さが 温かい愛に変わる

私の心が温かくなる 温もりをくれた

My  family

 

お父さんの笑顔 私まで笑顔になれる

幸せにするその笑顔が

大好きだよ

 

お母さんの手 温かく感じる

落ち着くその温もりが

大好きだよ

 

兄弟の光 安心できる家族の一人

いつも私を助けてくれる光が

大好きだよ

 

おじいちゃんとおばあちゃんの言葉

いつも 口をゆっくり動かす「おかえり」

優しさが込められた言葉が

大好きだよ

 

たくさんの温かい優しさが包みこむ家に

帰りたくなる

こんな私の居場所が ここにある

 

私の世界とみんなの世界が違うのに

こんな私を愛してくれたね

こんな私を抱きしめてくれたね

生まれ変わるのなら

また この家族のところに生まれたい

 

笑顔をありがとう

温もりをありがとう

光をありがとう

言葉をありがとう

優しさをありがとう

居場所をありがとう

愛をありがとう

 

たくさん「ありがとう」と

いっても言い切れないくらい

空に向かって叫びたいくらい

感謝しているよ

本当に…ありがとう…

 

Thanks  my  family

love  my  family

 

 

言葉?ことのは?

作詩:有川梗子[奈良市・43歳]

 

君の横顔に

「ありがとう」って言ってみる

にっこり笑い振り返る君

…ありがとう

それは誰かさんと 誰かさんをつなぐ

やさしい言葉(ことのは)

 

君の寝顔に

「おやすみ」と言ってみる

すやすやと寝息をたてる君

…おやすみ

それは誰かさんと 誰かさんが

明日を待っている

約束の言葉(ことのは)

 

君の泣き顔に

「ダイジョウブ」って言ってみる

泣き止んで鼻を垂らす君

…ダイジョウブ

それは誰かさんが 誰かさんに伝える

絆の言葉(ことのは)

 

ことのは

それは誰かさんと 誰かさんをつなぐ 魔法の葉っぱ

赤や黄色、緑の葉っぱを一枚…二枚…

ヘタクソでいい 拙(つたな)くていい

葉っぱを重ねて人はつながる

 

ことのは

君が突然

「ママ、だいすき」って言う

それは君がママだけにくれる 真実の言葉

「ママも君がだいすきだよ」

それは君とママをつなぐ 愛の言葉

 

…ありがとう

君にあえてよかった

ママの子でありがとう

 


空からのキャスティング

作詩:小林 聡[大阪市・45歳]

 

空から下りてきたシナリオで

与えられた役柄を 演じてきたけど

ここから先は 自分で物語を創っていく

運命は変えられると信じているから

 

自分を演じる 悲しさと喜び 繰り返しながら

誰かに生かされている喜びを感じる

自分を追い詰めて 眠れぬまま朝を迎え

絞り出した答えを信じて また演じ続ける

 

思い通りにいかないことを 他人のせいにして

楽な場所へ逃げようと 言い訳を並べてた

同じサイクルでやってくる 苦しいことは

ハッピーエンドに続く演出だと信じたい

 

同じ時代の中で 何十億の物語が流れ 交差している

空から下りてきたキャスティングを 僕は怨んではいない

この役は僕にしか出来ないからだ

 

生きることは 段取りよくはいかない

何かを始めれば 必ず壁にぶつかる

だからといって 何もしなければ何も変わらない

勇気を出して 叩き割れ

 

怖がりで臆病なことは 自分が一番知っている

だから少し背伸びして 強い自分を演じてみた

 

見慣れているはずの街並みが

 

少し違った景色に見えた

すれ違う人の視線さえ 風に感じた

 

出会えた人たちに感謝しながら

与えられた命と時間を大切に生きていく

カーテンコールには まだ早い

 

同じ時代の中で 何十億の物語が流れ 交差している

空から下りてきたキャスティングを 僕は怨んではいない

この役は僕にしか出来ないからだ

 

 

白樺の家

作詩:千葉裕美子[岩手県岩手郡・36歳]

 

帰りたい 帰りたい

私の心の奥でいつも叫んでいる言葉

 

帰りたい 帰りたい

今 家に居るのに どこに帰りたいの

 

私の生まれた頃から 私の家の前には

一本の白樺が植えられていました

 

私の成長と共に 白樺には葉が生い繁り

どんどん天に伸びていきました

 

そしていつかしら私の家族は

我が家を白樺の家と名づけて

温かい思い出は増えていきました

 

毛虫が落ちるというので

父は白樺の木を切ってしまいました

 

残ったのは切り株だけ

私が高校三年生の冬でした

 

その頃 私の体と心にパニックがおこり

どんどんわからなくなっていきました

 

何を見て何を感じ 何を欲し何を想っているかが

全てわからなくなってしまいました

 

気がつくと精神科病棟のベッドの上で

私は白樺の家を想っていました

 

お見舞いに来てくれた母の涙を

私は一生忘れられないでしょう

 

私は全てを失ってしまった

 

私の開けてしまったパンドラの箱の

沢山のカード

 

楽しいはずのキャンパスライフ

夢だった介護の仕事

せっかくできた親友

淡く散った初恋の苦さ

 

全てが消えてしまいたった一枚

残ったカードには

白樺の家と書いてありました

 

帰りたい 帰りたい

私が心の奥でいつも叫んでいる言葉

 

帰りたい 帰りたい

今 家に居るのに どこに帰りたいの

 

今 白樺の木の切り株に座り

目を閉じて思うのです

 

私は何も失ってなんかいないのかもしれないと

 

白樺の木と共に

白樺の家と共に

 

大切な家族と共に 


 

先生の声

作詩:野崎富美子[山口県下関市・43歳]

 

先生と もむ練習をした

はじめは 私の背中をおしてくれた

体がぬくもった

痛いところに鍼をしてくれた

今度は私が 先生の背中を指圧する

手が ふるえてるぞ

速い 速い

もっと ゆっくりゆっくり

同じかんかくで

 

先生とかわりばんこに

もまれたり もんだり

私ができないと言ったら

だから練習するんだと

しんけんだ

 

時間がたつのもわすれて

練習した

 

先生と直に 身体(からだ)に

手をあてて ふれあい 教えてもらうと

気もちが つうじあっていくみたい

先生のゆびには きもちがある

後から気づいた 本もののやさしさ

心には形はないけれど

見えないものに 本ものがある

 

声を聞くと あかりがともる

肩にのせた手で 温度がわかる

先生の話す声は ひかりがある

色もあるし かおりもするよ

あなたも声を出してね

おなかの中や 体のまん中が

あたたかくなったよ

 

 

生命のハーモニー

作詩:早川奈美江[静岡県袋井市・37歳]

 

世界中を

イライラと悲しみのニュースが

今日を騒がせている

忘れているね 大切なその心を

 

ほら、たくさんの

喜びとありがとうが

Melodyを奏でているよ

聞こえるでしょう? あなたにも

 

生命(いのち)と生命(いのち)の出逢いは

勇気と希望のハーモニー

あなたとわたしの出逢いは

過去(きのう)と未来(あした)のハーモニー

この世にいらない命は

ひとつもないはずだから

 

世界中を

ため息と戸惑いのニュースが

今日を騒がせている

忘れているね その大切な重さを

 

ほら、たくさんの

温もりと優しさが

Melodyを奏でているよ

聞こえるでしょう? あなたにも

生命(いのち)と生命(いのち)の出逢いは

奇跡と絆のハーモニー

あなたとわたしの出逢いは

笑顔と涙のハーモニー

この世にいらない命は

ひとつもないはずだから

 

 

買い物

作詩:東野玲央[兵庫県加古川市・13歳]

 

ぼくは 中学生

まだ 一人で行ったことがない

買い物に

家からの道順だって覚えてる

迷わず行ける自信もある

でも 線路を渡るのがちょっと不安

レールにタイヤがはまったらどうしよう

車椅子がこけたら 一人で起き上がれない

充電切れたら 動けない

お母さんがきっと心配する

それでもいつか

行ってやるぞ きっと

一人で買い物に

 

ぼくは 中学生

まだ 一人で行ったことがない

買い物に

探して選んでレジに並べる

お金を払える自信もある

でも 通路を通るのがちょっと不安

途中に段差があったらどうしよう

品物が落ちたら 一人で拾えない

高すぎ低すぎ 届かない

お母さんがきっと心配する

それでもいつか

行ってやるぞ 絶対

一人で買い物に

 

 

ありがとう オパール

?盲導犬オパール号に寄せて?

作詩:藤田芳雄[新潟県長岡市・63歳]

 

青空映す つぶらな瞳

あの町 この町 たくさん見てきたね

君がいたから ずっと歩いてこれた

君と出会って 僕の世界は変わったよ

見えない僕の手に いつも君のハーネス

ありがとうオパール 今日までありがとう

 

君と歩けば 雨でも楽しい

あの道 この道 たくさん歩いたね

きっと忘れない 遠く離れていても

君と過ごした この10年の想い出を

見えない僕の手に いつも君のハーネス

ありがとうオパール 今日までありがとう

 

君といたなら 笑顔が見える

あの人 この人 たくさん出会ったね

両手いっぱい 夢と勇気をくれた

明日(あす)から君は 君のために生きるんだ

見えない僕の手に いつも君のハーネス

ありがとうオパール 今日までありがとう