芝芳雄 チャリティ絵画展
〜子どもと共に生きた画家、芝芳雄94歳のラストチャリティ〜
会期:2020年11月21日(土)〜23日(月・祝)10:00~19:00 *23日(月・祝)は17:00まで
場所:奈良県文化会館1F・特別展示室(アクセス)
*この度の「芝芳雄チャリティ絵画展」には、SM(227mm×158mm)からF50号(11767mm×910mm)までの100作品が出展され、芝さんのご厚意で、号一万円という破格の値段で販売されます。どうぞ皆さん、会場に足をお運びいただき、ご購入賜りますようよろしくお願いいたします。
たぎるエネルギー。淡々と走らせる絵筆を支えているのは、亡き次男哲二さん、亡き妻美代子さんへの思いだ。
奈良県桜井市三輪在住の芝芳雄さんは、長年絵筆を握り続けてきた。次男哲二さんは、重い脳性マヒを生きていた。奈良県立明日香養護学校に通っていた哲二さんは、同級生たちと共に生活し、共に働くことができる“家”を夢見ていた。その夢を実現すべく1973年に運動を始めたのが、美代子さんをはじめとする同級生のお母さんたちだった。特に結束が強かった桜井市内のお母さんたちは、「たんぽぽの家」づくり運動の中心を担い常にその牽引力となってきた。
お金もない、運動に有力者がいる訳でもない、ただのお母さんたちが始めた運動は、しかし強かった。運動を始めて8年目(1980年)にして、運動の足掛かりとなる障害のある人たちの自立援助センター「たんぽぽの家」が完成する。その18年後の1998年には、念願の生活の場である福祉ホーム「コットンハウス」を完成させた。共に運動を続けてきた障害のあるメンバーが、今暮らしている。
残念ながら、たんぽぽの家の完成を待たず、1977年に哲二さんは20歳で他界してしまう。芝さんは、哲二さんの亡くなる前年、「たんぽぽの家」づくり運動を支援しようと初めてのチャリティ絵画展を開催し、収益を全額、運動を進める奈良たんぽぽの会に寄附する。哲二さんが亡くなっても、彼が夢見た「たんぽぽの家」づくりを応援しようとチャリティ絵画展を開催し続け、それは2000年の第25回にまで及んだ。寄付総額は、3,000万円を超える。
そして、それを支え続けたのは、妻美代子さんだった。芝作品は、地元桜井市内の神社仏閣や奈良市内のならまち周辺、有名寺院を中心とした風景画とともに、ヨーロッパ各地の風景画が大きなウエートを占める。それを可能にしたのが美代子さんだ。哲二さんのケアを続けながら、9度に亘るヨーロッパ取材旅行に快く送り出してくれたから、作品づくりの幅が大きく広がった。その取材旅行のスケッチを基に描かれるヨーロッパの風景画が今でも芝作品の中心をなしている。
美代子さんは1999年、病に倒れ自宅のベッドでの療養生活を余儀なくされた。その美代子さんを芝さんは、88歳で亡くなるまで16年間ケアし続けた。「妻の支えがなければ、今の画家芝芳雄はなかった」と芝さんに言わしめる所以だ。
そして今回20年のブランクを経て、芝芳雄94歳にして今一度チャリティ絵画展を開く決意を固めた。改めて画家としての人生を振り返ったとき、それを支えてくれたのが、哲二さんと美代子さんだとの思いを強くした芝さんは、自分の命が続く限り二人の夢だった「たんぽぽの家」を応援することが自分の務めだと、ブランクを挟んで第26回となる今回のチャリティ絵画展を開くことにした。100点をめざすと宣言した作品づくりには、これまでの絵画展にはなかった人物画が加わる。芝作品の新しい境地を思わせて、その内なるエネルギーに改めて感心させられる。もちろん、今回のチャリティ絵画展の収益も全額奈良たんぽぽの会に寄附される。
ぜひ芝芳雄の世界に足を踏み入れていただきたい。 (奈良たんぽぽの会 村上良雄)
*芝芳雄 略歴および受賞歴
(大正15年11月9日生) 師:鈴木博尊 小山退助
1949年 創美会創立
1969年 大阪府知事賞・大阪市長賞
日米文化協会賞
1971年 二元会会員推挙・運営委員
1974年 第1回芝芳雄チャリティ絵画展
1978年 二元会常任理事推挙
日本美術家連盟会員推挙
1981年 パリ国際展銀賞・銅賞
二元会紫薫賞・ヨーロッパ賞
二元会桂冠賞
1985年 文部大臣奨励賞
1986年 桜井市市民表彰
1989年 内閣総理大臣賞
2000年 第25回芝芳雄チャリティ絵画展
●新型コロナウイルス感染防止について
・マスクの着用、手指のアルコール消毒のお願いと検温をさせていただきます。
・発熱や体調不良の方は、ご来場をお控えください。
・2週間以内に感染が拡大している国や地域への訪問歴のある方は、ご来場をお控えください。
・ご来場の方のソーシャルディスタンスが保てない人数になった場合は、入場制限をさせていただくことがあります。
◎主催:奈良たんぽぽの会
奈良たんぽぽの会は、たんぽぽの家を支える任意のボランティア団体です。人や地域とのつながりを大切に、誰もが自分らしくいきいきと暮らせる社会になることを目指して活動しています。このチャリティ絵画展の収益は、奈良たんぽぽの会の運営に充てられます。