[報告]GoodJob!東北プロジェクト2014 

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「タケダ・いのちとくらし再生事業」

障害のある人×アート×デザインの力を基点として、2014年度は次のことを目標に活動しました。

・アートを通して生きる力を取り戻す。 
・アートやデザインを通して障害のある人の仕事づくり、自立を支援する。
・障害のある人のアートを産業と結びつけることでコミュニティに新しい仕事を創出する。
・障害のある人×アート×デザインの力を基点とした「Good Job!プロジェクト」を継続し、また持続可能なプログラムとする。
・震災後に生まれたネットワークと経験をいかし、震災からの復興に貢献する。

2014年度はこんな活動を行いました。

 1)デザインプロダクトの開発支援をおこないました。

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◆のぞみ福祉作業所(社会福祉法人洗心会/南三陸町)

専門家と現地を訪問、スタッフ全員と施設再建に向けて、またこれからの商品展開についてのコンセプトワークを行いました。震災から4年がたち、企業や応援者が支援で商品を購入するのではなく、商品の力で顧客を掴むかどうかの転換期がきています。そのために商品の背景を伝えるツールを作り、紙製品の付加価値を上げ、ターゲットを見据えた商品づくりを実施しました。2013年度の全製品の総売上げは460万円、前年度の約3.3倍。利用者の1カ月の工賃は、震災前の4000円から賞与を含めると平均10,000円へアップしました。

・アート活動の支援をおこないました
メンバーのアートが日々育ってきています。さらに発展させるためにアートワークショップに携るアートスタッフのコーディネートを行い、商品のデザインに生かすことのできるアートを育てています。「テクテクめぐる 縁がわアートin南三陸」(2014年9月13日~15日)に、メンバーのアートを出品し、民家の縁側や公民館、神社などを会場に、地域を散歩しながら楽しめる展覧会やワークショップを行いました。メンバーも全員参加し自信につながりました。地域の中でのメンバーの存在感が増してきています!

・商品の開発をしました
モアイタオルは、地元南三陸町の商店街で人気で、月間300本以上の売り上げを記録しています。武田薬品労働組合さんの「復興マルシェ」商品として1640枚を販売しました。2010年に南三陸で震災後生まれた、きりこプロジェクトや観光協会とも連携して、NOZOMI PAPERを使用した「きりこハガキ」の販売にも取り組み始めています。

・活動を伝えるツールの製作しました。
これまでたくさんの支援を受けたことへの感謝の気持ちを、地域や支援者に発信していきたい、という想いから「NOZOMI PAPER FACTORY」というブランドを立ち上げました。またFacebookやウェブサイト、リーフレットを製作し、たくさんの方に活動を知っていただきました。2015年3月27日には、「NOZOMI PAPER FACTORY」オープンイベントを行い、メンバーほぼ全員が参加しました。バックにスタンプを押すワークショップやきりこハガキの展示を行い、のぞみ福祉作業所を地域に発信しました。

 

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◆小規模地域活動センター みどり工房若林(若林区若林)

仙台市荒浜にあった以前の事業所は津波で流失しましたが、メンバー、スタッフは避難し無事でした。震災後1カ月後にメンバーを訪問し、ニーズ調査を行い再建をめざしました。太白区障害者福祉センターを間借りし活動をつづけながら、メンバー、スタッフが共に物件を探し、現在の拠点で活動を始めました。

・「仙台クラシックフェスティバル2014」出店しました。
エイブルアート・カンパニー期間限定ショップ「HUMORA」に出品することを目標に商品を開発し、新たな販路を拡大しました。

・商品のブランディングを行いました。
デザイナー育成も兼ね、現地のクリエイターとの協働で、現商品の整理やターゲット、方向性を決め、商品のブラッシュアップ、パッケージを整え、商品を通じてみどり工房若林を発信する機会になりました。メンバーやスタッフと話し合いを重ね、「fun fan楽しさの風をおくる」というブランドを立ち上げ、パッケージにはメンバーの絵を使用することで、みどり工房若林の魅力を生かした商品づくりを行いました。

 

2)障害のある人のアート活動およびデザインプロダクトに関する相談支援事業をおこないました。

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3)人材育成事業、啓発普及事業を行いました。

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小規模(参加者30名)のセミナーを6回開催(AARJapan難民を助ける会よりエイブル・アート・ジャパン委託事業)

・1回目/4月18日(金):「モノづくりのためのコンセプトワーク」@岩手
岩手県内より、福祉事業所職員、行政職員など23名が参加。
・2回目/4月19日(土):「モノづくりのためのコンセプトワーク」@宮城
宮城県、山形県より、福祉事業所職員、福祉関係者、企業、NPO職員など29名参加。
・3~6回目/「実践!モノづくりのためのコンセプトワーク~せんくら編」
8月2日(土):「商品の具現化・イメージマップの作成」
8月28日(木):「商品のアウトプット・パッケージ」
9月4日(木):「個別相談会/商品公開&選考デイ」
10月28日(火)「仙台クラシックフェスティバル2014」まとめ&講評会
コンセプトワークでは、仙台フィルハーモニー管弦楽団の方を10名をお呼びし、各団体の商品企画に対しての意見交換を実施する回もありました。10月3日、4日、5日には「仙台クラシックフェスティバル2014」のメイン会場で8団体が出店しました。8月のセミナーでのグループワークで生まれたショップ「ハチプオンプ」として、エイブルアート・カンパニーが店舗をコーディネート、売り上げは昨年出店時の3倍に伸びました。これからも楽都仙台や全国の音楽イベントに参加していきます♪

 

4)メディア情報

2013年10月 FORTUNE宮城 (工房地球村、のぞみ福祉作業所)
2015年3月 読売新聞夕刊 (カフェ地球村)
2015年3月 TBCラジオ東北放送(工房地球村)
2015年3月 南三陸町タブロイド (のぞみ福祉作業所取材)
2015年3月 河北新報(のぞみ福祉作業所取材)
2015年3月 南三陸町ブログ(のぞみ福祉作業所取材)