東日本大震災で自身も被災しながら医療や福祉などの分野で支援活動をされた方々へインタビューし、記録を残す「東北ドキュメントプロジェクト」(財団法人JKA助成)。担当スタッフが事業や取材の概要、エピソードなどをご紹介します。
ことの起こりは…
被災地で殉職した公務員(警察官、消防士など)の遺族への補償が滞っている、という新聞記事がありました。
「福祉施設の職員だって利用者の方を放って逃げるわけにいかんし、一緒に避難する途中で亡くなったりしてはるやん。これも殉職やと思うけどな…」
私たちは福祉施設で働いています。普通の会社やったら、一人で逃げたらいいけれど、障害のあるメンバーさんを置いて逃げることなんてあり得ない。こういうケアラーはたくさんいると思うけど、あんまり新聞やテレビに出てきません。でも、このような事実こそ取り上げられるべきではないか…。震災直後のケアする人の状況はどうだったのか、どんなふうに乗り越えてきたのか、是非とも知りたいし記録を残していくべきだ、との思いからこのプロジェクトが企画されました。
取材に行ってみて
今回は宮城県内のケアする人を取材しましたが、内陸部(仙台市、大崎市)と沿岸部では全く状況が違います。復興の進み具合も全然違う。でも被災の程度は別として、それぞれ困難な状況に置かれたことは違いないですし、インタビューに応じてくださった方々一人ひとりの情報は本当に貴重なものでした。 そして伺ったお話は災害時における単なる体験談ではなく、人間が本来持っている生命力、勇気、愛、美しさについて示唆に富んだものでありました。
東北ドキュメントプロジェクト
ケアラーズジャパンにて3月配信予定
http://care-jp.tv/
(担当/文責:佐賀優里香)