臨床するアート 2012ー2013(全6回)

rinsyo-1.jpgのサムネール画像のサムネール画像社会の大きな変化のなかで、私たちは生きていくことの困難さと同時に、生きていることの尊さをあらためて感じています。そして、これまで気にかかっていたけれども目をそらしてきたこと、本当は大切にしたいと思っていたけれどもあきらめてきたこと、忙しく流れる日常のなかで深く考えてこなかった生き方、生活のありようを見直したいと願っています。

「臨床するアート」トークセッションは、なぜその人はその現場に向かうのか、そのときアートはどうあるのかをじっくりと聴くこと、そして他者と語り合う対話の場です。アートによって生まれる個人へのまなざし、関係性の本質について語り合い、これからの私たちが生きる社会について考えていきたいと思います。

[東京セッション/全6回]

場 所:A/A gallery(アーツ千代田3331内・東京都千代田区→アクセス

時 間:いずれの回も*19:00?21:00講師より話題提供、コーディネータ・参加者ともにディスカッション(*18:45?19:00受付)

参加費 :一般 6回連続/6,000円 1回/1,500円  

     ユース(25歳以下)6回連続/4,000円 1回/1,000円

     ※たんぽぽの家のメンター会員、エイブル・アート・ジャパン会員は、ユース価格と同額。

     ※参加費は、当日受付にて申し受けます。

*お申し込みはこちら→ 申込フォーム   

申込フォームから申込みができない際は、rinsyosuruart@popo.or.jp もしくはtanpopo@popo.or.jpにメールにてお申し込みください。(その際、1.お名前 2.所属機関、または肩書 3.連絡先/電話もしくはE-mail 4.ご参加を希望の回 をご記入ください。)

定員:30名(定員に達し次第、締切となります)

 

◎お問い合わせ先:エイブルアートジャパン財団法人たんぽぽの家

 

◯第1回 2012年11月1日(木)【いのちを育む時間ー京大病院小児科での活動から】 ※終了しました

子どもが子どもらしくいられる時間によって、その子の入院する「今」という時間を肯定することができる。治療という目的を最優先しなければならない病院という場にあって、どのように子どもとその家族を支えてきたかを報告する。

神田美子ー京都大学医学部付属病院小児科ボランティアグループ「にこにこトマト」代表。娘の入院にともない付き添い生活を経験したことをきっかけに、1995年に「にこにこトマト」を発足し、「楽しく豊かな時間」を病棟に運ぶ。共著に『きょうは何しよ、何して遊ぼ?』、著書に『egao』(にこトマ通信100号記念誌)

 

 ◯第2回 2012年11月22日(木)【生きるための知恵としてのアート】  ※終了しました

多様な価値観がせめぎあい、情報があふれる社会のなかで、私たちは何を基準にものごとを選び、表現していくのか。自分とは異なる世界観をもつ人とも交通し、ともに新しい世界を切り開いていくために必要な力とは。生きるための知恵としてのアートについて考える。

津田広志ーフィルムアート社編集長•amuディレクター。大野一雄『稽古の言葉』、川俣正『アートレス』、Practica『アートリテラシー入門』、エイブルアート・ジャパン『生きるための試行』などの芸術書を企画編集。またクリエイティヴスペースamuで生活者のための編集デザイン普及イベントを行う。著書に『リ・クリエイティブ表現術』『生のアート』。

 

  ◯第3回 2012年12月6日(木)【アート=自己表現の意味を問う】   ※終了しました

アートというと、つい、「自己表現」と思いがちだが、実際は自己表現に辿り着くずっと前の「自己表出」を扱っていくべきなのではないか。自分では作品をつくらない重度心身障害者たちと、つくることに苦手意識を抱いている看護師や介護士たちと共に続けている、約2年間のアートアクティビティを通じて見えてきた自己表出の可能性について考える。

鈴木理恵子ー女子美術大学准教授。公共建築物のデザイナーを経て05年?07年渡英。バーミンガム・シティ大学大学院修了。社会問題をゆるやかに改善に導くことを目的とした、<アートすること>によるソーシャル・インクルージョンに関心がある。専門はイギリスや日本における病院での子どもたちへのアートによる支援。近年は、地域コミュニティー、重度心身障害者施設や被災地へと活動の場が広がっている。

 

  ◯第4回 2012年12月20日(木)【表現としての社会学】   ※終了しました

現実の社会制度、さまざまなものをわける「境界」に対し、私たちはどう対峙するのか。学生とのアートプロジェクトや、制度的に構築された「僕」「岡原正幸」「社会学者」の脱•再構築をめざすところからみえてきたものを探る。

岡原正幸ー慶応義塾大学教授。専門は、感情社会学、障害学、映像社会学、社会彫刻•文化実践。<感情><記憶><物語><不平等><差別><混沌><反理性><身体><言語><革命><セクシャリティ>等をキーワードに社会学を問い直す。

 

 ※第5回の参加申込は締め切りました。 

  ◯第5回 2013年1月10日(木)【21世紀の現在における‘芸術’と私たちの営みと】 

‘人類の根源的な心の構造と芸術表現の関係を探ることを基軸として、多彩な活動と情報発信を行う場’を営もうとしている多摩美術大学芸術人類学研究所。この研究所の扱う「芸術」とは、‘従来の芸術学や芸術史が扱う範囲をはるかに超えて、現生人類が誕生した旧石器時代以来、数万年単位のスケールにおいて人間が生き抜くために切実に行われ、表現されてきた幅広い営みを対象’としている。東日本大震災は、私たちの生や営みの時間軸が大きなスケールのなかにあることを発見させ、また日々の営みの意味を問う機会をもたらした。私たちの‘芸術’と生の営みを問う。

鶴岡真弓ー多摩美術大学芸術人類学研究所所長。美術文明史家。ヨーロッパの基層に横たわるケルト文化、さらに日本にいたるユーロ=アジア世界のデザイン交流史を研究。著書に『ケルト/装飾的思考』、『装飾する魂』、『ケルトの歴史』(共著)、『阿修羅のジュエリー』ほか。NHK「人間大学」、「ウィークエンド・ジャパノロジー」、「極上美の饗宴」、「ユーミンのSUPER WOMAN」出演。映画『地球交響曲第1番』でアイルランドの歌姫エンヤと共演。

 

  ◯第6回 2013年1月31日(木)【被災地における哲学カフェの取り組みから】   

震災以降、せんだいメディアテークにて行われてきた「考えるテーブル てつがくカフェ」。震災という<出来事>を市民とともに<対話>のなかで読み解き、語りなおす時間のなかで見えてきたことは。対話の場がもつ意味、可能性を探る。

西村高宏ー東北文化学園大学医療福祉学部准教授/てつがくカフェ@せんだい。専門は臨床哲学。<対話>という営みを通して哲学的な知の社会的接続の可能性を問い直すことが現在のテーマ。

 

※コーディネータ(全6回)

坂倉杏介ー慶応義塾大学グローバルセキュリティ研究所特任講師。三田の家LLP代表。芸術の共同制作過程の分析を通じて、コミュニティや個人の成長と「場」の関係について研究。またコモンスペース「三田の家」「芝の家」での活動を通して、新たな大学地域連携のモデルを提案している。

 

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主催:財団法人たんぽぽの家 協力:アートミーツケア学会、NPO法人エイブル•アート•ジャパン