小林弘典(アーティスト)

小林弘典(アーティスト)
 

 

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 小林弘典は、中学校在学中、美術の先生に才能を認められ美術部に所属した。当初は漫画家を目指していたが、高校卒業後、大阪芸術大学に進学し小池一夫先生に出会い、「漫画家より絵本作家の方が適している」と指導を受け絵本作品の制作活動に入った。

大学卒業後は何度も就職を試みるも、発達障害があることにより社会的理解の壁が大きく、なかなか就職には結びつかなかった。現在は就労移行事業所“NPO法人 地域活動支援センター ぷろぼの”で就職に向けてのパソコン訓練を受けている。

絵本作家を目指す彼の志は高く、その前向きな姿勢と創作意欲には脱帽するばかりである。小林の絵画にはどれも、見る人が皆笑顔で微笑んでしまう魅力がある。

*左の作品タイトル「火の精霊」

*下の作品タイトル「宇宙の鬼」

 

 

 

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 作品には、伝説的なモンスター・聖獣・精霊・妖精などが多く登場する。独自のキャラクターも多く、作家の個性が反映された独特の色使いでアニメ化したモンスター が表現されている。また、力強い線の描写、曲線も彼の作品を特徴づけている。色は、バックとのコントラストを踏まえ、原色を中心とした配色がなされている。

 西洋の龍は邪悪な存在として伝えられることが多いが、東洋の龍は、神、聖なる存在として崇められているので好んで描くことが多い。仏像や七福神にも興味があるという。

登場するキャラクターの活躍で、読む人をほんわかとした気持ちにさせてくれる絵本作品も数多くある。版画作品もあり、その柔らかな色遣いは作家の優しい人柄が出ているようだ。

小林は、「自分の作品が見る人に、ディズニーランドとかUSJに出かけた時のような感動や喜びを与えるように、見た人が楽しくなるように」という思いをこめ、今日も描いている。 

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 上の作品タイトル「雪」

(増本裕隆/NPO法人地域活動支援センターぷろぼの 地域貢献室室長)

小林弘典(こばやし ひろのり)
昭和57年3月28日生まれ。奈良県橿原市在住。大阪芸術大学卒業。NPO法人 地域活動支援センター ぷろぼの"所属。

NPO法人 地域活動支援センターぷろぼの

http://purobono.itrobo.net/

プライベート美術館:2012年1月26日(木)~2月5日(日)

小林弘典さんの作品が、プライベート美術館に出展されます。奈良の街で、作品がご覧いただけます。

会場:奈良町界隈、近鉄奈良駅周辺商店街の店舗など

主催:奈良県 実施運営:奈良県障害者アート創出実行委員会


「プライベート美術館」は、奈良県障害者芸術祭 HAPPY SPOT NARA 2011-2012の一環として開催される、アートを日常生活のなかで楽しむプロジェクトです。

奈良県内の障害のある人の作品約60点を、店舗や町家で展示します。作品を選ぶのはお店のオーナーやスタッフ。自分の目で見て感じたままに作品を選び、展示をし、そこから生まれる物語を訪れる人とともに共有します。

詳しくはこちらをご覧ください http://popo.or.jp/happyspotnara/about.html#private

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