【報告】こどものてつがくアトリエ 芦屋市立美術博物館

芦屋市立美術博物館で8月27日に開催した「こどものてつがくアトリエ」。
遅くなりましたが、当日の様子をご報告します。
 
「こどものてつがくアトリエ」は、
絵から感じたことを話したり、みんなの言葉を聞きながら、絵の世界を一緒に探検してみよう!
と参加を呼び掛けた、ことばと目の想像力を引き出す対話型美術鑑賞 ワークショップです。
 
当日参加されたこどもは、9人。
講師は、大阪大学コミュニケーションデザイン・センター招聘教員の高橋綾さんです。

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高橋さんが手にしているのは、「コミュニティ・ボール」。
このボールを持っている人が話す、というのがルールです。
 
今回、鑑賞したのは、作品は3つ。
1つ目は、上の写真、右奥の大川誠さんの作品です。
「何が描いてある?」「みんなが、この絵のなかにどんなものを見つけたかな?」という高橋さんの質問に
「鳥居!」「漢字の田んぼっていう字がある」「動物が描いてあるよ」
など、いろいろな発見が出てきます。
ひととり、何が描いてあるか話したあとで、
「この絵は好き?嫌い?どうして?」と尋ねる高橋さん。
質問され、「どうしてか」と考えると、自分にとっての、好き・嫌いの判断基準がみえてくるように思います。

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元気いっぱいどんどん言葉が出てくる子、じっと絵を見つめる子、ぴったりの表現をじっくり考える子、と、ボールを持ったときの反応は、みんなそれぞれ。

質問にすらすら答えることではなく、考えてみること、他の人の意見をきくことそれじたいが、
大事にされ、すすむワークショップ。
参加してくれたこどもたちからは、
「楽しかった!」「(ほかの人の)想像力がすごいなと思った」「自分は気づかなかったことに気づいている人がいた」といった感想が寄せられました。
 
一緒に来ていたお母さのひとりは、
「初めて参加しましたが、おもしろいと思いました。親と一緒にいると、どうしても、大人の意見をおしつけてしまうことが多いです。これって、○○だよね、と言ってしまったり。
家庭や学校では、『それは違う、間違っている』と言われない環境で話すことは難しいので、
こういう時間は大切だと思います」
と話されていました。
 
きっと、大人にとっても、そんな時間は大切なはず。

9月11日(日)には、同じく「アート・ピクニック」展にて、鑑賞ワークショップ「見えない人が見える人のメガネになる!?」を開催します。見える人、見えない人、見えにくい人が、作品を前に対話しながらする鑑賞会。参加者募集中です!詳細、お申込み方法は、こちらでご確認ください。

芦屋市立美術博物館HP 

(レポート:井尻貴子)