【報告】 アートと宇宙 芦屋市立美術博物館

 
 
9月3日(土)、芦屋市立美術博物館での展覧会関連企画として、講演会「アートと宇宙」を開催しました。
講師は、兵庫県の西の端にある、西はりま天文台公園研究員の高橋隼さん。
当日は、台風による大雨警報のなか、熱心な方たち約10人が参加してくれました。
 
こどもの頃から、宇宙への興味があって、どちらかというと絵を描いたり、などのアートは苦手。
しかし、大学卒業後にたんぽぽの家で働いていたときに、コミュニティアートのプロジェクトを担当し、「好きなこと/得意なこと」の延長に社会活動があるというアーティストのアートとのかかわりをみて、自分にとってのそれは、小さい頃から好きだった天文学ではないかと気づいたという高橋さん。
そこから「天文学を通して社会に何ができるのか」がライフワークになり、再び大学院で天文学を研究することになったといいます。
 
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「宇宙は秩序と混沌が入り混じる深淵な世界」
「星座を例にとってもわかるように、宇宙が人間の創造性を刺激してきた」
一見、宇宙とは私たちがいきている現実の生活とは遠いところにあるようですが、人間は空を見上げて、いろいろなことを想像し、またそれを表現してきたことを紹介してくれました。
また、高橋さんの研究テーマの一つである「地球照」を例にあげながら、空を見上げることで、外に目をむけていくことで、もっと自分の内面をみることができるかもしれない、ことを紹介してくれました。
 
参加者の方からは、「曼荼羅の宇宙観と天文学とのつながりはあるのか」などのユニークな質問が飛び交いました。
ふだん、星や宇宙の話に接する機会のない私としては、なぜかとてもなつかしい気がしました。
西はりま天文台公園には、公開用としては世界最大の「なゆた望遠鏡」があるそうです。
ぜひ、星を見にでかけてはいかがでしょうか。
 
講演会終了後、高橋さんに、今回の展覧会「アートピクニック」より、お気に入りの作品を選んでいただきました。
選んだ作品は井上亜希子さんの作品「小麦粉」。
文字だけでこんなに美しいこと、そして規則正しく文字を描いているようにみせながら、途中でまったく異なる文字をしのばせるユーモアに惹かれるとのことでした。
 
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展覧会は10月2日までの会期となっています。
まだの方はぜひ、足をお運びください!
 
(レポート:森下静香)