12/22京都 「こどものてつがく美術館」報告

こどものてつがく美術館

2012年12月22日(土)9時30分~12時30分
会場:京都国立近代美術館(京都市左京区岡崎円勝寺町)

美術館に、小学生~こどもたち11名が集まりました。
講師、ハカセ・哲学者の高橋綾さん、ヒゲ先生・全盲の美術家・光島貴之さんを迎え
まずは自己紹介。

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ヒゲ先生は、声、言葉、感覚など、視覚以外の情報を頼りに相手に出会います。
こどもたちは、ちょっと緊張、質問に導かれ、ひとりひとり自分を語ります。
「私はおしゃれ大好き!じゃがいも好き」

1、てつがくの時間(絵をみて話そう)です。
一枚の絵(「しるべⅡ」竹内浩一)をじっくり鑑賞します。

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        ハカセ:どんな感じ?
こどもたち:「馬の色薄い、眼がかなしんでる、うつむいている」
                        「毛並きれい」表情、色、カタチ、感じること等、それぞれ言葉にしていきます。

ヒゲ先生(光島さん)との対話も生まれています。

    ヒゲ先生:「どこにいる?」
こどもたち:「どこかへ運ばれている、檻?」
    ヒゲ先生:どんな感じ?
こどもたち:元気なさそう、泣きそう。下にこどもがいて眺めている。
                        食べてお腹出てる、体重が増えた悲しみ?

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言葉が飛び交います。

    ヒゲ先生:ちょっとわかってきたよ
        ハカセ:タイトルは?
こどもたち:暗い馬、悲しんでる馬・・・地味だから、好きじゃない、落ち着く絵

 

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次の絵、「ボイス(マンハッタン)」猪熊弦一郎
こどもたち:大きい!明るい、楽しい、自由な感じ
    ヒゲ先生:何がある?どんな色?
こどもたち:10円玉とか、パイプがいっぱい。海、豪華客船。巨大な迷路。レール。
                       赤が印象的、絵が4等分。遠くからみると、全部つながっているみたい。
                       パソコンの部品、左上は工業地帯。空の上からみてるみたい

まだまだ続きます。

    ヒゲ先生:触ったら?
こどもたち:でこぼこ、つるっとした感じ
                        橋がたくさん。10円玉が高く積んである。本屋さんみたい。

こどもたち:絵の中に動きがある、作者の気まぐれ。
        ハカセ:タイトルは?
こどもたち:自由の国、10円玉製造工場、大都会・・・

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絵には不思議がいっぱいです。
みんなで、ことばやからだをつかって、探検すると、お友達の表現に導かれ
新しい想像、発想、言葉がポンポン飛び出してきます。
大人のスタッフさんも、興味深々。

 

2、つくる時間です。
先ほどの絵(「ボイス(マンハッタン)」)がわかるように、触って見える絵の制作にチャレンジ。
たくさんの面白い素材を前に、こどもたちは、テンションが上がります。

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女の子「10円玉の手触りがロープに似ているよ~」
男の子、いろんな素材を立体的に並べ、グラデーション。想い想い、手が動きます。
テーブルでは、刺激を受けあい、素材や表現方法がまじりあっていきます。
「触り心地を考えて、紙をシートで包み、上にパーツをつけてみた」
「○○ちゃんらしい!かわいい」
こどもたちどうしも、会話が弾みます。

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最後に、仕上がったこどもたちの作品を全部並べて、完成!!
感じたことを誰かに伝える手段、手法はさまざまです。
いろんなカタチがあることの楽しさ、伝えあう歓び、
それぞれ何かを持ち帰ることができたと思います。

NPO法人こどもアート
加藤ゆみ