超高齢社会に入り、一人ひとりの生き方をどう支えるかが社会全体の課題です。しかしながら、医療や福祉の制度が整えられサービスが多様化する一方で、ケアをになう人の心身の負担は大きく、疲れやストレスをため込み苦悩することも少なくありません。苦悩は孤立することによってますます深くなり、ケアする人もケアされる人も大きな痛みを抱えることにつながります。 それを防ぐためには、人々がおたがいに関心を持ち、支えあう仕組みをつくることが必要です。また、ケアの重要性や、奥深さを社会全体で共有することで、ケアする人が希望をもち、よりよいケアへの原動力にしていくことも大切です。 このセミナーではいろいろな学びや体験を通して、ケアのあり方や、ケアする人のサポートについて考えます。さまざまな実践に触れ、新しい考え方に出会うことで、おたがいを尊重し、支えあう文化の土壌づくりへの契機としたいと思います。
- 日時
- 2013年2月16日(土)10:20?15:30 (受付 10:00~)
- 会場
- 和歌山県勤労福祉会館 プラザホープ(和歌山市北出島1-5-47)[地図を開く]
- 参加無料、要申し込み
- 主催
- 財団法人 住友生命社会福祉事業団、財団法人たんぽぽの家
- 企画
- ケアする人のケアセミナー和歌山実行委員会
- 後援
- 和歌山県、和歌山市、和歌山県社会福祉協議会、和歌山市社会福祉協議会、(特活)わかやまNPOセンター、和歌山県平和フォーラム
プログラム
- 10:20-10:30
- 開会あいさつ
- 10:30-10:40
- オープニングアトラクション
- 10:40-11:30
- 基調講演「関わりあいと生きる力」
大きな生命観に立ったとき、お互いの存在や関係が全く違って見えてきます。自然農の実践を通して人と人、人と自然、人と社会の関わり、そしていのちを慈しみお互いを尊重する心のあり方について考えます。
- 【講師】
- 中井弘和(社会福祉法人静岡いのちの電話理事長、清沢塾主宰)
静岡大学名誉教授。NPO法人「自然農法文化事業団」技術顧問。「清沢塾」主宰。自然農法を通して農業の可能性を追求するとともに、稲や人のいのちのありようを探る。
- 11:30-12:20
- スピーチ「ケアリング・ソサエティ」
ケアされる人がケアし、ケアする人がケアされる。強いものが一方的に助けるのではなく、相互的な関係性の中でケアは成り立っています。支えあいの地域づくりをめざし、ケアの文化を創造する視点を提案します。
- 【講師】
- 播磨靖夫(財団法人たんぽぽの家理事長)
障害のある人たちの生きる場「たんぽぽの家」づくりを市民運動として展開し、アートと社会の新しい関係をつくる「エイブル・アート・ムーブメント」を提唱。「アートとケア」「ケアする人のケア」の研究を通して、ケアの文化の創造に取り組む。平成21年度芸術選奨文部科学大臣賞(芸術振興部門)受賞。
- 12:20-13:30
- 休憩
- 13:30-15:30
- 分科会
- 分科会1 「ケアする人が元気になる環境作り」
ケアする人の心身が健康であってこそ、質の高いケアを提供することができます。家庭や職場でケアする人がひとりで問題を抱え込まず、生き生きと生活できるような、おたがいに支えあう環境作りについて考えます。
- 【話し手】
- 大竹美知世(特定非営利活動法人生活支援センターもちつもたれつ理事長)
ながたかずこ(NPO法人コミュニケーションサポート かるっちゃアカデミー代表)
岩橋秀樹(社会福祉法人つわぶき会本部長)
コーディネータ:森口弘美(財団法人たんぽぽの家)
- 分科会2 「人として人を世話する」
ケアとは本来、おたがいを大切に思う関わり合いのことです。ところが、制度化・サービス化がすすむにつれて、人間らしい関わり合いがそぎ落とされてしまうことがあります。それはケアに関わるあらゆる人に、無力感やストレスを生じさせることにつながります。人が人として生きるためのケアのあり方を、家族および専門職の立場から考えます。
- 【話し手】
- 大畠信雄(和歌山県精神保健福祉家族会連合会会長)
古梅智己(特別養護老人ホームみどりヶ丘ホーム施設長)
コーディネータ:鳥海直美(四天王寺大学人文社会学部人間福祉学科准教授)
- 分科会3 「ケアにおけるアートの可能性」
アートには、ものごとのイメージや固定観念を揺さぶり、時には覆してしまう力があります。では、ケアにアートを持ち込んだら何が起きるでしょうか。あるいは、アートをとおしてケアを見直したら、どんな風景が見えてくるでしょうか。さまざまな表現活動の取り組みが、ケアのあり方やケアする人に与える影響と可能性を探ります。
- 【話し手】
- 鈴木悦子(社会福祉法人一麦会むぎピーススタッフ)
中野千世(地域生活支援センター櫻-さくら-)
コーディネータ:播磨靖夫(財団法人たんぽぽの家理事長)
- 分科会4 「癒やしと気づきのダンスワークショップ」定員 20人
コミュニケーションの90%は身振りなどの非言語的な方法によってなされています。言葉に依存しがちな日常から離れて、身体が本来もつ力を取り戻すためのワークショップです。
- 【講師】
- 佐久間新
ジャワ舞踊家。伝統舞踊におけるからだのありようを探求する中から、ダンスの可能性を問い直している。2004年より、障害のある人とのワークショップ、高齢者施設でのワークショップを展開。
- 15:30-16:30
- 交流会(希望者のみ・参加費500円)
お茶やジュース、お菓子などをご用意しています。セミナー登壇者、参加者がいっしょに感想や情報交換など自由に語らう場です。お気軽にご参加ください。
※諸事情によりプログラムの一部を変更する場合がありますのであらかじめご了承ください。
申込方法
次の申込事項を添えてお申し込みください。(申込先着順)
- お名前(ふりがな)
- ご所属 ※勤務先、ボランティア活動先など。特になければ不要です。
- ご住所(□ご自宅/□勤務先等)
- 電話・FAX・Eメール
- 分科会の選択希望 ※分科会1?4から、第2希望まで
- 弁当注文 要/不要 ※ご参加の場合は当日精算700円
- 交流会 参加/不参加 ※ご参加の場合は当日精算500円
- 手話通訳希望 午前/午後
※お預かりした個人情報は、本セミナーの受付事務においてのみ使用させていただきます。
申込先
麦の郷 総合支援センター
(担当:島)
〒640-8331和歌山県和歌山市美園町5-5-3
TEL: 073-427-3313/FAX: 073-427-3307
Emailでお申込の場合はこちら→carecare★popo.or.jp(★を@に変換して送信してください)
※Eメールでお申し込みの際は、件名に必ず「ケアする人のケアセミナー申込」と明記してください。
[おしらせ]
セミナーにあわせて、ケアに役立つヒントや和歌山県内の相談窓口情報を盛り込んだ『ケアする人のためのハンドブック』を発行・配布する予定です。