近年、家族力の弱体化によって、ケアをになう家族の負担が増大しています。また、地縁、血縁といったコミュニティはケアの支えになりますが、その“しがらみ”によってケアをになう家族が助けを求めにくくし、コミュニティとのつながりに苦悩するケースも少なくありません。 このようななか、支えを必要とする人の力になろうと、これまでにない新しい支えあいのコミュニティづくりが始まっています。ケアで孤立しがちな人たちが、社会のなかで居場所を取り戻していくために、地域に根ざしたいのちを支える取り組みが広がることは新しい時代の大きな希望です。 “わたし”から助けを求めること、“わたし”から手を差しのべること、そうした一人ひとりの支えあいから生まれる身近なコミュニティが、ケアすることに価値をおく社会の創造につながっていきます。 今回のセミナーでは、そのような社会の創造への道筋を探るため、支えを得るために声をあげること、それを受け止め支え手になること、そして支えあいの仕組みをつくることの意義や方法について、さまざまな実践を手がかりに学びあいます。
- 日時
- 2012年11月17日(土)10:20?15:30 (受付 10:00~)
- 会場
- ウィングウィング高岡(富山県高岡市末広町1-7 高岡駅前)[地図を開く]
- 参加無料、要申し込み
- 主催
- 財団法人 住友生命社会福祉事業団、財団法人たんぽぽの家
- 企画
- ケアする人のケアセミナー高岡実行委員会
(男性介護者の会 みやび、コミュニティハウスひとのま) - 後援
- 富山県、高岡市、北日本新聞社、北陸中日新聞、NPO法人Nプロジェクトひと・みち・まち
プログラム
- 10:20-10:50
- オープニングアトラクション
- 10:50-11:00
- 開会あいさつ
- 11:00-12:30
- 講演「看取りの家(ホームホスピス)― “とも暮らし”の地域へ」
核家族化した現代社会では、自宅で終末期を過ごすことが難しくなっています。家族が側にいないひとり暮らしの人が、孤独に最期をむかえることも少なくありません。また、家族が側にいても、周囲の助けが得られなければ自宅での看取りは難しい現状があります。肉親ではないけれど、寄り添い、生活をともにする“とも暮らし”の実践から、家族のあり方、専門職の役割、そして地域の未来について考えます。
- 【講師】
- 市原美穂(NPO法人ホームホスピス宮崎理事長)
海外のホスピスの視察を経て1998年から「ホームホスピス宮崎」設立に参画。 2000年に認証を受け、2002年から現職。その後、2004年に空いている民家を借りて「ホームホスピスかあさんの家」を開設。2006年に「毎日介護賞」(毎日新聞社)、2008年に「社会貢献者賞」(社会貢献支援財団)、2009年に「新しい医療のかたち賞」(医療の質・安全学会)を受賞。現在、宮崎市内に4軒を運営。
- 12:30-13:30
- 休憩
- 13:30-15:30
- 分科会
- 分科会1 「居場所の可能性―本人・家族・支援者の立場から」
誰でも気軽にやって来て、おしゃべりしたり、学んだりする地域のなかの「居場所」。人びとがゆるやかにつながる憩いの場は、お互いの存在を認め合い、自尊心を回復することで、生きづらさを越えていく力となっていきます。発達障害という生きづらさを抱える人をとりまく社会状況を知ったうえで、地域の中の「居場所」の意味や可能性、さらには社会の中に「居場所」を作るための考え方や方法について語り合います。
- 【話し手】
- 宮田隼、ほか(コミュニティハウスひとのま)
伊藤あづさ(ぶれいん・ゆに~くす代表)
コーディネータ:内山尚子(たんぽぽ相談支援センター相談員)
- 分科会2 「支え合いから仕組みづくりへ」
わが国の医療や福祉の政策は家族によるケアを基本に組み立てられています。だからこそ、ケアする家族が声を上げることは、地域を変え、制度を変えていこうとするときに大きな力になります。家族がぶつかる困難や苦悩はどのようなものか、家族会をはじめとした支えあいの場にはどのような可能性があるのか、さらには地域の小さな支えあいが制度や政策を変えていくための道筋について考えます。
- 【話し手】
- 平尾隆(男性介護者の会 みやび)
野入美津恵(NPO法人おらとこ理事長)
三富紀敬(静岡大学名誉教授)
コーディネータ:森口弘美(財団法人たんぽぽの家)
- 分科会3 「ケアする人のグリーフケア 」
ケアする人が抱える苦悩のひとつに、喪失の悲しみがあります。大切な人を亡くしたときに、大きな悲嘆とどのように折り合いをつけていくかは、介護を担う家族だけでなく、専門職にとっても大切なことです。悲嘆とどのように向き合ったらよいのか、心のいたみを抱える人にいかに寄り添うことができるかを学びながら、その喪失が人としての成長につながるためのケアのあり方について考えます。
- 【話し手】
- 市原美穂(NPO法人ホームホスピス宮崎理事長)
高橋聡美(つくば国際大学 医療保健学部 看護学科 精神看護学教授)
朴木節子、朴木由利子(富山市呉羽町 介護・看取り経験家族)
コーディネータ:小畑万里(日本社会事業大学非常勤講師)
- 分科会4 「体験しよう!アサーティブ・コミュニケーション」定員 30人
自分が本当に必要としている支えを得るためには、まずはそのことを誰かに伝える必要があります。しかしながら、大声で主張することを美徳としない日本社会においては、「困っている」「大変だ」「助けてほしい」となかなか言えない人も少なくないのではないでしょうか。アサーティブなコミュニケーションとは、相手の気持ちに配慮しながら自分の意見を率直に伝える技術です。言いたいことが言えず我慢してしまったり、逆に感情が先立って思いがきちんと伝わらないときに役立つ、さわやかな自己表現の方法を学ぶワークショップです。
- 【講師】
- 亀田紀子、越野誠子、戸瀬希久代、沙魚川万紀子
(ウィメンズカウンセリング富山)
- 15:30-16:30
- 交流会(希望者のみ・参加費500円)
お茶やジュース、軽食をご用意しています。セミナー登壇者、参加者がいっしょに感想や情報交換など自由に語らう場です。お気軽にご参加ください。
※諸事情によりプログラムの一部を変更する場合がありますのであらかじめご了承ください。
申込方法
次の申込事項を添えてお申し込みください。(申込先着順)
- お名前(ふりがな)
- ご所属 ※勤務先、ボランティア活動先など。特になければ不要です。
- ご住所(□ご自宅/□勤務先等)※10月下旬?11月上旬に受講票をお送りします。
- 電話・FAX・Eメール
- 分科会の選択希望 ※分科会1?4から、第2希望まで
- 弁当注文 要/不要 ※ご参加の場合は当日精算700円
- 交流会 参加/不参加 ※ご参加の場合は当日精算500円
※お預かりした個人情報は、本セミナーの受付事務においてのみ使用させていただきます。
申込先
財団法人たんぽぽの家
(担当:大久保・佐賀)
〒630-8044奈良市六条西3-25-4
TEL: 0742-43-7055/FAX: 0742-49-5501
Email: carecare★popo.or.jp(★を@に変換して送信してください)
※Eメールでお申し込みの際は、件名に必ず「ケアする人のケアセミナー申込」と明記してください。
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[おしらせ]
セミナーにあわせて、富山県内の医療・福祉情報を盛り込んだ『ケアする人のためのハンドブック』を発行・配布する予定です。