[終了しました]上映会&トーク「ダンス×ケア×テクノロジーの可能性を探る」

■日時  2024年6月29日(土)
     17:00-20:15 (受付16:30-)
■場所  FabCafe Kyoto アクセス
■参加費 1,500円(ワンドリンク付)
■定員  40名(要申込)
■申込み https://forms.gle/TpRjA3HAXtLMHJFx6
■主催  文化庁/一般財団法人たんぽぽの家
■協力  FabCafe Kyoto

 

はじめに

表現とケアとテクノロジーのこれからを考える〈たんぽぽの家〉の「Art for Well-being プロジェクト」。ALSを発症した体奏家の新井英夫さん、ジャワ舞踊家の佐久間新さん、踊る手しごと屋の板坂記代子さん、インタラクション研究者の筧康明さんの4名がコレクティブとして取り組んだ「とけていくテクノロジーの縁結び」の映像作品をこのたび本邦初公開します。

上映後、関係者によるトークの場を設け、療養とクリエイティブの合間にある、いまだ名づけられていない領域で何が起こっていたのか語り合います。

〈タイムテーブル〉
16 : 30 ~ 17 : 00 受付
17 : 00 ~ 18 : 30 上映会
18 : 30 ~ 18 :45 休憩
18 : 45 ~ 20 :15 トーク

 

登壇者

新井 英夫(体奏家/ダンスアーティスト)
*オンライン登壇

自然に沿い「力を抜く」身体メソッド「野口体操」を創始者野口三千三氏に学び、深い影響を受ける。演劇活動を経て1997年よりダンスへ。国内外での舞台活動と共に、日本各地の小中学校・公共ホール・福祉施設等で「ほぐす・つながる・つくる」からだのワークショップを展開。2022年夏にALS(筋萎縮性側索硬化症)の診断を受ける。以降、対処療法を続けながら、車いすを操り、日々即興ダンスをし、各地でのワークショップ活動をSNSで発信している。

板坂 記代子(身体と造形の表現家)
*オンライン登壇

プロフィール:1979年山形県生まれ。大学で絵画を学び、絵本と版画の制作を行ったのち、2006年新井英夫の野口体操と体奏に出会い、即興をベースにした身体表現を学ぶ。2010年より新井とともに舞台公演活動および、身体と造形のワークショップを実施中。自身の活動として、「てきとう手しごと工房」主宰。糸つむぎなど原初的な行為を「感覚遊び」としてとらえなおし、暮らしに忍び込ませる探求をしている。

佐久間 新(ジャワ舞踊家)

幼少の頃、臨床心理学者の父が自閉症児と研究室で転がり回っている姿を眺める。大阪大学文学部でガムランと出会いのめり込んで活動する。その後、インドネシア芸術大学へ留学。帰国後、日本のガムラングループと活動する一方、様々なダンサーとのコラボレーションを開始。たんぽぽの家の障害者との出会い以降、即興ダンスとマイノリティの人たちとのダンスに傾注。伝統舞踊におけるからだのありようを探求する中から「コラボ・即興・コミュニケーション」に関わるプロジェクトを展開。
https://shinsakuma.jimdofree.com/profile-1/

筧 康明(インタラクティブメディア研究者/アーティスト)

1979年京都生まれ。博士(学際情報学)。2007年に東京大学大学院にて博士号取得後、慶應義塾大学、MITメディアラボ等での活動を経て、現在は東京大学大学院情報学環教授を務める。物理素材の特性や質感を起点に五感を通じて体感・操作できるフィジカルインタフェース研究や作品制作、インタラクションデザインに取り組む。その成果は、CHI、UIST等の国際会議、Ars Electronica、文化庁メディア芸術祭等のアートフェスティバルや展覧会など分野を超えて発表され、受賞も多数。主な共著に「触楽入門」(朝日出版社、2016年)、「デジタルファブリケーションとメディア」(コロナ社、2024年)。
https://xlab.iii.u-tokyo.ac.jp

小林 茂(情報科学芸術大学院大学 [IAMAS] 教授)

オープンソースハードウェアやデジタルファブリケーションを活用し、多様なスキル、視点、経験を持つ人々が協働でイノベーションに挑戦するための手法や、その過程で生まれる知的財産を扱うのに適切なルールを探求。著書に『Prototyping Lab第2版』『アイデアスケッチ』など。岐阜県大垣市において2010年より隔年で開催しているメイカームーブメントの祭典「Ogaki Mini Maker Faire」では総合ディレクターを担当。

当日進行:一般財団法人たんぽぽの家(小林大祐)

 

 

「とけていくテクノロジーの縁結び」について

このプロジェクトでは、3人の表現者(新井英夫さん、佐久間新さん、板坂記代子さん)が生み出す世界を、テクノロジーを介して鑑賞者や周囲に開くこと、そしてその “環境” が3人の創作にさらなる刺激を与える触媒のように作用することを試みました。

「テクノロジーはなくなってしまってもいいんです、そこで結ばれた関係性さえその後に残るのであれば」と、技術者/研究者としてとけていくテクノロジーのあり方を提案した筧康明さん。そして、4人のコレクティブを見続けてきた小林茂さん。

本イベントでは、関係者全員が再び集まり、あらためてこのプロジェクトでどんな縁が結ばれたのか考えます。昨年度は、2回の非公開セッションを行ったのち、限られたお客様をお招きして、限定公開実験ワークショップ公演を行いました。これらの一連の流れをまとめたダイジェスト版の映像はすでにYouTubeで公開しています。

このたび新たに、公演フルバージョンとリハーサル未公開部分を含めた映像作品を制作しました(撮影・編集は丸尾隆一さんです)。本イベントはその初上映とそれを記念するトークイベントです。