第39回わたぼうし音楽祭「作詩の部」入選作品[開催終了]

 第39回わたぼうし音楽祭「作詩の部」入選作品一覧 ※「作詩・作曲の部」応募要項はこちら

第39回わたぼうし音楽祭「作詩の部」入選作品8点が決定しました![応募総数:448作品]

作品名 名前 地域 年齢
わたし 石川夏緒 岩手県盛岡市 17歳
人知れずやりたいことが私にもある…

そのストレスと野望

伊藤圭子 東京都江戸川区 51歳
ト・モ・ダ・チ 栗栖啓人 大阪市 14歳
マイナスからプラスへ 小林 聡 大阪市 48歳
上からラーメン CPしまった 千葉県市原市 54歳
3びきの生き物 高山 遼 栃木県足利市 11歳
僕の仕事 得田育宏 奈良県香芝市 35歳
本岡真波 兵庫県姫路市 13歳

 

 「わたし」作詩:石川夏緒

 目が見えるって どういうことだろう

わたしには 見えるという感覚がわからない

でも 手でさわることで 形や感触がわかる

 

わたしは 人の表情もわからない

でも 声のトーンで その時の人の感情がわかる

きょうはやさしい声だな

きょうは元気がないなって

 

わたしは ものを落とすと見つけるまでに時間がかかる

だから 大事な ものは落とさないように

大切に使っている

 

わたしは 色というものがわからない

でも 雰囲気は想像できる

この洋服 キラキラしていてかわいいな

 

わたしは 歩いていると  時々 障害物(なにか)にぶつかってしまう

体には 傷つくことがあるけれど 心は大丈夫

だから めげずに また前へ進む

 

目が見えないと できないこともあるけれど

できることだって たくさんある

心の目だって持っている だから

前向きに生きていきたい

すばらしい 未来があると信じて

 

 

 「人知れずやりたいことが私にもある…そのストレスと野望」作詩:伊藤圭子

  トイレに行きたくなって

いっしょに行ってくれる人をさがすよ

2人さがすよ

KAIJOSHA

並んでトイレに向かうよ

2人と私…楽しい会話も弾むけど

秘密の話もできる時だけど

一度でいいからひとりの

夢の個室で過ごしてみたい

人知れず

 

「嫌いな食べ物は?」と聞かれ

「ありません」と答えるクセがあるよ私

イイコだから

USOTSUKI

自分が楽と言い聞かせ

介助が楽ね!と言われる快感

誇ることがツラい

一度でいいから思うまま

イイコを捨てて過ごしてみたい

人知れず

 

彼氏に触れてみたいと思ったら

誰かに手を借りなきゃ…私

でも恥ずかしくて

ICHAICHA

恋する誰もがすること

彼氏の近くにいっしょに行って

私の左手渡すだけ

一度でいいからさりげなく

リアルな温もり感じてみたい

他人(ひと)知れず

 

 

「ト・モ・ダ・チ」作詩:栗栖啓人

 暗い音の中 日々歩いてた

電車のアナウンスも 車の音も

無音の世界

心の闇は 増すばかり

伝えたくても 伝えられない

障害者と言うレッテルはられて

寂しく歩いた帰り道

どんなに景色がキレイだって

音が聴こえなければ 意味が無いんだ

無音の世界から飛び立ってゆけるなら

そう 何度も願ってた

夢を追う事も出来やしない

自分はいったい何者なのだろう

となりを感じて一人二人

いつのまにか闇が無くなってた

無音の世界はいつしか希望の世界へと変わる

ありがとう

 

 

 

「マイナスからプラスへ」作詩:小林 聡

 

繰り返す 噛み合わないやり取り

 

空気を換えるジョークさえ空回り

難しいね 分かり合えるって

 

明日への設計図 描こうとすればするほど

積み上がっていく 言葉にできない不安

 

2つの色が溶け合って

また新しい色が生まれるように

マイナスとマイナスを掛け合わせれば

きっとプラスに変わるはずだから

 

張り詰めた気持ち 緩められない

心の力のコントロール うまく出来ず

今夜は眠れない

 

形の違う2つの歯車 ぶつかり合って傷つきあい

ゆっくり削れて回りだす

 

全て自分が正しいと思い込んだ時から

間違いは始まっていたんだ

背中のリセットボタンを押して

止(や)めることから始めればいいんだ

 

この先もいくつもの辛いことに出会うだろう

だけど僕らの人生は罰ゲームじゃない

明日へのパワースイッチ OffからOnへ

強く強く 弾き返して

 

 

 

「上からラーメン」作詩:CPしまった

若い頃はそれでも

こんなに首振りはなくて

下を向いてラーメンがすすれた

ところがこの頃振り激しくて

したが向けなくなった

それでも大好きなラーメンが食べたいと

上から 上から 上からラーメン

上から 上から 上からラーメン

上からラーメン たらしこんで食べています

上から 上から 上からラーメン

上から 上から 上からラーメン

時たま動いてほっぺで食べてしまう

 

年と共に近頃

アテトーゼ激しくなって

下を向くと首振りは止まらない

仕方なく上を向き大口開ける

そこに上手に麺を

たらしこんでもらいラーメン食べている

上から 上から 上からラーメン

上から 上から 上からラーメン

この方が切り刻むより上手に旨く食べられる

上から 上から 上からラーメン

上から 上から 上からラーメン

スープが顔にたれるのがたまに瑕(きず)

 

上から 上から 上からラーメン

上から 上から 上からラーメン

お前にたべさせるには技術がいると

友達は文句を言うか

上から 上から 上からラーメン

上から 上から 上からラーメン

上からラーメン たらしこんで食べています

 

 

「3びきの生き物」作詩:高山 遼

ぼくは 小鳥だよ

ぼくのお母さんは 鳥だよ

とってもやさしいよ

ぼくの好きな食べ物は

青虫さんとミミズさんだよ

たまに カラスが来るよ

こわくて にげちゃうよ

このカラスめ!

 

ぼくは 子ダコだよ

ぼくのお母さんは タコだよ

すみを出すよ 気をつけてね

ぼくの好きな食べ物は

エビさんと貝さんだよ ほかにもあるよ

ぼくのてきは ウツボさんとサメさんだよ

こわいよ

 

ぼくは 遼だよ

ぼくのお母さんは やさしいよ

働いてるよ がんばってるよ

ぼくの好きな食べ物は ラーメンだよ

ぼくのてきは いないよ

みんな やさしいよ

ぼくは とっても楽しいよ

 

 

僕の仕事」作詩:得田育宏

僕の仕事は 絵本の読み聞かせ

保育所に行きだして 18年が過ぎるんだ

おかんがマネージャー

 

子ども達から お兄ちゃん

たまには おっちゃんと言われてる

 

大きいベル 小さいベル いろんなベルを鳴らして

絵本の読み聞かせの始まり

 

からだ全体を使って 汗びっしょりになって読み聞かせ

「はなをくんくん」の絵本では足をドタドタドタッと

子ども達もドタドタドタッ 同じようにマネするんだ

 

終わったら 足の股のトンネルくぐりが定番

何回も何回もやる 和気あいあいが子ども達との楽しみ

元気も もらってるんだ

 

年取っても続けていきたいなあ

元気で続けていきたいなあ

 

 

 

「音」作詩:本岡真波

音は人のキモチを動かすから 好き

音はだれかのキモチを届けてくれるから 好き

 

音は人のキモチの素(モト)を作る

 

でも

音はうるさいと だれもが嫌い

音は美しいと だれもが好む

 

音は私に音楽を届けてくれる

音は私に人の声を届けてくれる

音は私たちに情報を届けてくれる

 

音楽

人の声

情報

 

ひとつとして同じ音楽なんてない

ひとつとして同じ人の声なんてない

ひとつとして同じ情報なんてない

私は人より少しだけ 音からとおい世界にいるけど

 

命を持っている音が大好きだ