第42回わたぼうし音楽祭「作詩の部」入選詩 決定!

第42回わたぼうし音楽祭
「作詩の部」入選作品決定!

先日、「作詩の部」選考会をおこなった結果、8編の詩が「作詩の部」に入選しました。

実行委員会では、「作詩の部」入選詩への曲を公募するとともに、引き続き「作詩・作曲の部」の作品を大募集しています。

たくさんのご応募、お待ちしております!!

♪作品募集についてはこちら→募集関連ページへ

「作詩の部」入選作品集のpdf

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僕はいつも寝ています
作詩:太田純平(東京都町田市・26歳)

僕はいつも寝て過ごします
僕はいつも天井を見ています
なぜだか知っていますか?
僕は皆んなに意思のない子だと思われているから
悔しいです
声を出しても意味がないと思われているから
辛いです

僕だって笑います
僕だってため息をつきます
ちょっとでも褒められたら ドヤ顔を作ります
僕の表情で気がついてよ

僕にも言葉や気持ちがあるんだよ
僕だって好きな子がいます
寝てばかりじゃいられない
大好きなノンちゃんに告白しに行かなくちゃ

本当はね 僕のこころは超忙しいです
でも僕は寝てばかりで過ごします
だから僕の動きを助けてください
そしたら 僕はありがとうの気持ちをいっぱいあなたに伝えたい
僕の「ありがとう」に気づいてください

 

生き切って
作詩:乙川正純(新潟市・52歳)

要らない生命と言われたよ 全て消えてなくなれと
激しい響きで言われたよ そして悲しく受け止めて
何故なんだという思い 溢れんばかりに胸にして
なのに声が届かない 悔しさを噛み締めて
目を背けられている 生命であるという事に
怒りとそして切なさを 今はただ刻み込み

その生命を生き切って たとえどう言われても
精一杯に生き切って とにかくそうして行くんだと
今は強く頷いて たとえどんな生命でも
最後まで生き切れば 力強く輝くと
信じてそして伝えたい これが自分であるんだと
大きく声を響かせたい その生命でしっかりと

生きていても仕方がない 今もまだ耳にして
唇を噛み締める 毎日になっていて
悲しみを胸にして だけどとにかくこの生命
生き切って行くんだと もう一度頷いて
たとえその輝きが 小さなものであろうとも
力強く響くんだ その事を示したい

 

6年目の梅
作詩:金子美智(福島県伊達市・42歳)

庭に咲く 梅の花が咲いた
あの大震災から 6度目の春に
また咲いた 梅の花
あの日 母と逃げたことをけして忘れない
その母は 今は病に倒れ
離れ離れだ
あの頃に戻ってほしい

庭に咲く 梅の花が咲いた
母がよく 梅干しをつけていた
放射線で もう食べられなくなった
あの日 母といたことがなつかしい
もう一緒にはいられない
離れ離れだ
あの頃に戻りたい

強く強くなりたい
ひとりで生きていくために
庭に咲く 梅の花のように
6年目の梅の花…

 

エコボール
作詩:北村陽子(京都府宇治市・43歳)

白球にこめた 野球少年(ベースボールボーイ)の想いを
うけとめて 一生懸命
一針一針 縫い上げます
煩悩の数 108さ
縫い目の数 108さ

汗をかきかき
縫いつづけて
みんなのお給料をもらうと
みんなの笑顔もきらきらだ

障害者(みんな)と高校生(ミンナ)が
つながるなんてないって思っていたけど
一球入魂の高校生
一針入魂の私たちの想いが
重なり1球100円さ
障害者(みんな)のお給料もふえるのさ

汗をかきかき
縫いつづけて
みんなのお給料をもらうと
みんなの笑顔もきらきらだ

 

ほんでな うちな 今ここにおるねん
作詩:菰池みゆき(奈良市・30歳)

将来をなやんでいた
先生にむりやり しけんにつれていかれた
みごと合格
ここからうちの人生は 変わっていった
歌をうたうことがすきになった
りょうりをすることがすきになった
人のおせわをするのがすきになった
そして大切なともだちに出会った
大人になった私は 働いた
たこやき屋 くつ下こうぼう 病院 
いろんなところで働いた
働くことはイヤじゃなかったけど 
イヤなことをする人たちがイヤだった

今はすごしているよ
たのしい絵をかけて
すてきな場所にでかけられて
そして大切なともだちにやっと ぐうぜんに出会うことができて
うれしいまいにちを すごしているよ
ほんとにほんとに ありがとう
再会できて ほんとにほんとにありがとう
ほんでな うちな 今ここにおるねん

 

家族
作詩:小山俊幸(岡山県玉野市・49歳)

県外に住んでいる弟が
大晦日に帰省してきて
末の弟の車で弟たちと3人で
実家へ帰った

久しぶりに
家族そろっての
ひとときを
過ごした

ぼくは 幼いころから
家の都合もあって
長いこと 施設生活だったので
実家で過ごしたことが
なかった

家族が
恋しくて 恋しくて…
毎日のように泣いているばかりで
ホームシックだった

歳を重ねるごとに
さびしいという思いは
だんだんと消えてしまったけれど

家族が
一つになれる
心が
あたたかくなれる

「家族」って
いいものだ

みんなで食卓を囲み
お酒を交わしながら
会話をしたり
テレビを見たり…と

のんびり
おだやかな
大晦日

元旦には
おいたちが
わが家にきてくれて
新たな年を迎えた

「家族」がそろうことは
いくら年老いても
やっぱり
いいことだ

家族 みんなが
この一年
幸せに暮らせるように…

それぞれの生活に
戻った

 

オレの居場所
作詩:所嵜 紳(大阪市・14歳)

家族は皆 耳がきこえる
オレが小さい頃 お母さんは手話をしてくれた
だけど 最近はしてくれない
車の中でもお父さんたちはいっぱい話しているけど 
オレだけわからない
皆が笑っている時 オレも笑ってた方がいいかなって思う
「何の話」と聞いても「何でもない」と言われる
たまにこう思ってしまう
耳がきこえたら こんな風にならなかったかな
何話しているかわからないまま 笑っている
居場所が見つからない 
ここにいていいかわからなくなる
自分が生きていく意味がわからなくなる 
時はすぎていく

そんな時 運動会で応援団長を決めることになった
「めんどくさい」と思ったけど 周りはちゃんとしているから
オレもやってみようと思った
見方を変えてみよう
しんどかったけどガマンした
未来のとびらが少し開くかと思ったから
ガマンしたら変わってきた
みんなが笑顔になるのを見て 
がんばったらいいことあるかなと思った
ささやかなことでも楽しもう 楽しい友だちもいる
友達や先生と協力したら 難しい勉強もわかるようになる
楽しい勉強もあるんだって気づいた

やっとやっと見つけた
みんなの前で笑って楽しく生きていくのが オレの居場所なんだ
手話は宝物
口だけではわからないことでも 手話があると何でもわかる
できることの範囲が広がっていく
家でも手話をしてくれたらいいな
でもこれだけは言えるよ
「お母さん、お父さんのことが好きだよ」
これからもよろしくお願いします

 


作詩:中木美穂(島根県江津市・38歳)

ページをめくる
今日はどんな出会いがあるだろう
どんな自分になれるだろう

孤独にたえる少年だろうか
凜とした瞳で 己の道を突き進む少女だろうか
自由を守る戦士だろうか
それとも
老いてなお気高き巫女だろうか

誰もがなりたい自分になれるわけじゃあない
でもページをめくれば
自分自身を重ね合わせ
立ちはだかる壁の前で
一緒に苦しんだり 悲しんだり
怒りを覚えたりしながら
乗り越えられた時には
自分のことのように
喜びを感じることができる
そして最後には
ほんの少しの勇気がもらえた気がする

小さな小さな本の中に
無限の世界が広がっている

たとえ心に憂鬱な雨が降っている日でも
そっと傘を差しだしてくれ
読み終える頃には
ほら 夏空のように澄みきっているよ

朝がくる
さあ 扉(ページ)をひらいて
旅に出よう