ケアする人のケアフォーラム 言語から身振りへ

本日のフォーラムは予定通り開催いたします。地震の影響によりプログラムの一部を変更させていただきますが、ご了承のほどお願い申しあげます。

 

言語から身振りへ ―― ふるまいを読み解く

気持ちを伝え、気持ちを受け止めることに、難しさを感じたことはありませんか?
それは人と人のやりとりから、身体が抜け落ちてしまっているからではないでしょうか。それはまた、さまざまなふるまいをまとめあげた「暮らし」が、身体から失われているからではないでしょうか。私たちの身振りやしぐさは言葉以上に多くのことを伝えています。人と人が関わるケアにとって、ふるまいを読み解き、つながることは欠くことのできない術のひとつです。本フォーラムでは、言葉によるコミュニケーションが優位な時代に身振りが持つ意味、そのなかの「身体知」について考えてみたいと思います。ケアをより人間的な営みにするために。

日時
2011年3月12日(土)14:00~17:00 終了後、交流会を行います
会場
應典院本堂ホール(大阪) [会場アクセスはこちら]
主催
財団法人たんぽぽの家
独立行政法人福祉医療機構 社会福祉振興助成事業
参加費
1,000円 ※交流会費500円(いずれも当日会場にて申し受けます)
お申し込み方法はこちら

プログラム 

13:30-14:00
受付
14:00-14:15

パフォーマンス「竹おどり・大阪初上陸!」

ケアは、目の前にいる人の状態を細やかに感じとり、応えていく営みです。ダンスもまた、観客の反応を感じながら踊ることで、その場をつくりあげていく試みでしょう。そのとき私たちは、言葉をこえ、身体を通じたやりとりをしているのではないでしょうか。フォーラムのはじまりにあたり、このことを感じる時間を持ちたいと思います。

竹之下亮

ダンサー/振付家。能楽を学びながら身体の面白さに目覚め、ダンスを始める。高齢者施設で介護職員としての勤務を経て、現在は公演や作品制作に専念している。劇場以外でも踊り、場所の特性を活かしユーモアを交えて踊ることが持ち味。

14:20-15:10

講演「言語から身振りへ」

現代社会において、私たちはE-mailやブログなどといった言語を介したコミュニケーションのなかに他者とのつながりを見出すことが多くなっています。しかし、人が気持ちを伝えあうとき、頼るべきものは言葉だけしかないのでしょうか。人間にとっての身振りやしぐさの意味に目をむけ、コミュニケーションのありかたについて考えます。

野村雅一

総合研究大学院大学副学長、国立民族学博物館名誉教授。京都大学人文科学研究科助手、国立民族学博物館教授、京都外国語大学教授等を経て現職。文化人類学専攻。とくに、身ぶりやしぐさを含む人間のコミュニケーションを、世界的な広がりで研究。

15:20-17:00

事例報告&ディスカッション

日常生活で、ケアの現場で、私たちは日々、人と出会い、関わり、生きていくことが求められます。暮らしのなかで「その人」を物語るのは、言葉だけではありません。「ふるまい」には、その人自身の生き方が現れています。コミュニケーションのあり方が問われている現在、医療や介護の現場で様々な実践を行っている方々の話を伺い、いまいちど、人と人との関わりにおいてふるまいが持つ意味について話しあいます。

15:20-15:35

事例報告1「笑いと病と生と――クリニクラウン(臨床道化師)の活動」

「すべてのこどもに、こども時間を届ける」ことを目的とし、病院に笑いを運び込むクリニクラウン。病とともに生きるこどもたちに対し、クラウンたちはどのようにふるまい、関わっていくのでしょうか。医療現場に生き生きとした時間をつくりだす実践について伺います。

塚原成幸

NPO法人日本クリニクラウン協会事務局長兼アーティスティックディレクター。全国各地で約20年道化師として公演を行う。道化的発想と行動が現代社会における「豊かなコミュニケーションの構築」につながるという思いから、医療、福祉分野においても活動を展開している。

15:35-15:50

事例報告2「ふるまいが居場所をうみだす――常設型地域の茶の間『うちの実家』」

そこを訪れる人をあたたかく無条件で迎える、常設型地域の茶の間「うちの実家」。人と人が自然に関わりあい、存在しあう場においては、互いのふるまいを読み取り、応えることが重要なのではないでしょうか。多様な人を柔らかく受け止める場をうみだす試みについて伺います。

河田珪子

常設型地域の茶の間「うちの実家」代表。介護退職者の立場から「介護しつつ自分の人生を大切にしたい。介護される側の人生も大切にしたい、そんなシステムを創りたい」と いい続け、また「頑張りすぎていませんか?」と呼びかけ、1990年に会員制有償の助け合い「まごころヘルプ」を開始(現在は新潟市の社会福祉協議会の事業になっている)。また1997年には「地域の茶の間」を開始。この「地域の茶の間」は全国にひろがっている。

15:50-16:05

事例報告3「身体でもって、からだに関わる――高齢者施設でのダンスワークショップ」

ケアの現場において、人は言葉以上に、身体でもって、からだに関わることが求められます。そこに難しさを感じたとき、様々な身体表現に触れ、経験することは新たな視点を得るヒントとなるのではないでしょうか。高齢者施設で職員やお年寄りを対象に行ったダンスワークショップについて伺います。

佐久間新

ジャワ舞踊家。伝統舞踊におけるからだのありようを探求する中から、ダンスの可能性を問い直している。まわりの環境とコミュニケーションする即興グループI-Picnicや大阪ピクニック(船場アートカフェ)、日常にダンスを発見する「からだトーク」(大阪大学CSCD)などを展開中。

16:10-17:00

ディスカッション「ふるまいを読み解く――ケアの現場のコミュニケーション」

塚原成幸×河田珪子×佐久間新×竹之下亮 進行:志賀玲子

17:00-

交流会

会場:2階ホール横「気づきの広場」

 

参加申込方法

  • 参加申込フォームに必要事項をご記入のうえ、送信してください。お申し込みをいただいた時点で受付となります。
  • 定員オーバー(80名)などの事情によりご参加いただけない場合に限り、ご連絡させていただきます。
  • 参加費および交流会費は、当日会場にて申し受けます。

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