臨床するアート 奈良セッション  *送迎案内UP!

アウトリーチとインリーチ
――いのちの現場に向かうアートの可能性

医療や福祉などのケアの現場や地域コミュニティにアーティストを派遣するアウトリーチ活動がさかんになっています。これらの活動は芸術文化の新しい可能性を示すものとして、また公共文化施設の新しい役割として注目されています。しかし、派遣されたケアの現場や地域コミュニティでそれらの活動が実際どのように受け入れられているのか、またどのような質のプログラムが行われているのか、その検証は十分ではないのではないでしょうか。一方、公共文化施設において、多様な人を招きいれるためにもインリーチを充実させていくことも必要です。本セミナーでは、ケアの現場や地域コミュニティにおいて、また公共文化施設においてどのようにアートの循環をつくっていくことができるか、そしてそこから公共圏のなかのアートの可能性について考えたいと思います。 
[関連企画:臨床するアート 東京セッションはこちら]

日時
2011年2月19日(土)13:30~17:30
2011年2月20日(日)10:00~17:00
会場
たんぽぽの家アートセンターHANA(奈良市) [会場アクセスはこちら]
主催
財団法人たんぽぽの家
協力
アートミーツケア学会 エイブル・アート・ジャパン
平成22年度文化庁芸術団体人材育成支援事業

プログラム 2月19日(土)

12:30-13:30
受付
13:30-13:45
主催者あいさつ
13:45-14:45

講演 「アウトリーチはソーシャルマーケティング」

アウトリーチが形式的なもので終わらずに、確かなものとして根付いていくためには何が必要でしょうか。そのために、アーティストと中間組織、そして公共文化施設がどのようにミッションを共有し、アートによって地域社会の抱える課題を解決していくことができるのでしょうか。公共文化施設の役割、そして地域との双方向の関わりから、新しい価値を生み出すための考え方、方法について提案します。

衛紀生

可児市文化創造センター館長兼劇場総監督。十数地域の自治体文化行政にかかわる一方で、文化庁、財団法人地域創造、芸術文化振興基金、芸団協、芸術文化振興会議などの委員を務める。現在、公共文化施設の館長として劇場の社会化にむけた、新たな取り組みを実践している。

15:00-17:00
事例報告&ディスカッション(1)

「小児科病棟がミュージアムになる」

医療の現場をミュージアムのアウトリーチ活動の対象として広げていくこと。それによって、医療の側、ミュージアム側にどのような変化が起きているのでしょうか。先駆的な活動を行う病院、ミュージアム、NPOとともに、ケアとアートが出会うことによる、いのちを育む新しいアウトリーチのかたちを提案します。

丹後幾子

大阪市立大学医学部付属病院看護部副部長。大阪市立大学医学部附属病院では病院の良質医療委員会の下部組織としてボランティア活動ワーキンググループがあり、アートプロジェクトが行われている。2008年より看護部の代表としてボランティア委員会に参加、院内ディレクターをつとめる。

神田美子

京都大学医学部付属病院小児科ボランティアグループ「にこにこトマト」代表。娘の入院にともない付添生活を経験したことをきっかけに、1995年に「にこにこトマト」を発足し、「楽しく豊かな時間」を病棟にはこぶ。発会時より、事務局代表、コーディネーターとして現在にいたる。

西澤真樹子

大阪市立自然史博物館を拠点としたサークル「なにわホネホネ団」 団長。6才から60代までの約180名の団員と博物館の標本製作をサポートする。絵本『ホネホネたんけんたい』シリーズの製作やワークショップを通して、動物のホネ=形態の楽しみかたを普及中。病院にてもワークショップを実施している。

コーディネータ:高橋真理子

山梨県立科学館主任学芸主事、山梨県立大学非常勤講師。プラネタリウムにおける解説、番組制作、ワークショップの実施や市民コミュニティ「星の語り部」の活動支援など、「つなぐ」「つたえる」「つくる」をキーワードに、星を介してさまざまな分野や人をつないでいる。山梨大学医学部付属病院小児科病棟でも活動を行う。

17:30-19:00

交流会

たんぽぽの家自慢の「楽食サービス」の手料理メニューでみなさまをおもてなしします。ぜひ、ご参加ください。

プログラム 2月20日(日)

10:00-12:00
事例報告&ディスカッション(2)

「ケアに役立つ!?――ダンサーはなぜ福祉施設に向かうのか」

福祉の現場は、常にケアやサービスの受け手・担い手としての役割が固定されがちになります。働いている人たちも肉体的負担やストレスを感じていることがあります。そのような福祉施設にダンサーがおもむき、ダンスを踊ることにはどのような意味があるのでしょうか。多様な存在や異質なものが入りにくいコミュニティにダンスが与える影響と可能性を考えます。

佐久間新

舞踊家。1995年からインドネシア芸術大学に留学、ガムラングループ「マルガサリ」所属。04年からは奈良の福祉施設たんぽぽの家と共同して、作品発表やワークショップを行う。05年からは野外で即興するI-Picnicを結成し、インドネシア、日本、オーストリア、ハンガリーで即興パフォーマンスを行う。

砂連尾理

ダンサー・振付家。大学入学と同時にダンスを始める。1991年より寺田みさことダンスユニットを結成。近年はソロ活動を展開し、舞台作品だけでなく障害のある人やホームレス、子ども達とのワークショップも手がけ、ダンスと社会の関わりを探求している。

細川鉄平

祥の郷施設長。大学を卒業後、高齢者福祉施設に従事。特別養護老人ホーム、デイサービス、デイケア、グループホーム、主夫業等を経て、現在は大阪府堺市で、古民家を使ったデイサービス「祥の郷」に勤務。そこにつどう人たちとの「何もしない」時間を大切に日々を過ごす。

コーディネータ:西川勝

大阪大学コミュニケーションデザイン・センター特任教授。精神科病棟での見習い看護師を皮切りに、二十数年にわたって医療や福祉の現場での経験を積む。一方、関西大学、大阪大学大学院にて哲学を専攻。ケアのあり方をめぐる哲学的考察を行っている。

12:00-13:30

昼食

HANAランチをお申し込みいただけます。

13:30-15:30
事例報告&ディスカッション(3)

「公共文化施設の公共性をどう高めるか――文化施設のアクセシビリティ」

今の文化施設は本当の意味ですべての人に開かれているでしょうか。文化施設が障害のある人や高齢者を含め、多様な人がアクセスできる、市民一人ひとりのものになるためには、どのような意識、そして仕組みが必要でしょうか。文化施設のアクセシビリティについて提案します。

梅田亜由美

女子美術大学美術館学芸員。障害のある人、高齢の人、日本語以外を母語とする人など、誰でも心地よく美術館を利用できることをめざす「みんなの美術館プロジェクト」に実行委員として参加。横浜美術館で始まった「様々な人に開かれた美術館を目指して」にも共同で取り組む。

八巻寿文

せんだい演劇工房10-BOX二代目工房長。舞台照明の仕事、画家、美術家等を経て、(財)仙台市市民文化事業団職員。宮城県美術館での表現のためのワークショップや子どもをもつお父さんのためのワークショップなどを行う。

渡邉和貴

埼玉県福祉部障害者福祉推進課障害者芸術・文化担当主査。埼玉県では2009年から「障害者アートフェスティバル」を実施している。芸術性の高さをテーマに据え、埼玉県立近代美術館や彩の国さいたま芸術劇場とも協働することで、福祉、芸術双方の既成概念を覆す取り組みとしても注目されている。

コーディネータ:太田好泰

エイブル・アート・ジャパン事務局長。障害のある人たちのアートをとおして、多様な価値観をみとめあう市民芸術運動「エイブル・アート・ムーブメント」に取り組む。障害者アートを支えるセミナーやワークショップの企画運営や調査研究プロジェクトに取り組む。

16:00-17:00

オプション たんぽぽの家アートセンターHANAツアー

すべての人がアートを通じて自由に自分を表現したり、互いの感性を交感することができるコミュニティ・アートセンター。障害のある人たちが個性をいかしながらビジュアルアーツやパフォーミングアーツに取り組むスタジオ、今を生きる人たちの表現を紹介するギャラリー、コミュニケーションの場としてのカフェ&ショップ、アートの可能性について探求するインフォメーションセンターやミーティングルームがあります。

申込方法

1.お申込フォームに必要事項をご記入のうえ送信してください。定員各日80名(申込先着順)。

2.参加費(オプション含)をお近くの金融機関からお振込みください。※振込手数料はご負担願います。

 一般学生・メンター
両日参加5,000円3,000円
部分参加 2月19日(土)3,000円2,000円
部分参加 2月20日(日)3,000円2,000円
交流会 2月19日(土)3,000円
HANAランチ 2月20日(日)500円
郵便払込01080-6-7812
※通信欄に「セミナー参加費」とお書き添えください。
銀行振込ゆうちょ銀行 一〇九(イチゼロキュウ)店(当座)0007812
名義財団法人たんぽぽの家

3.ご入金を確認しだい、お申し込み完了のご連絡を差し上げます。

 

おことわり

※キャンセルには下記の通りキャンセル料を申し受けますのでご注意ください。
2月11日(金)~2月18日(金)…参加費の50%
2月19日(土)…参加費の100%

※やむを得ない事情により、プログラムの一部を変更させていただく場合があります。
※お預かりした個人情報は、本セミナーの受付事務においてのみ使用させていただきます。

お申込み、お問合せ

〒630-8044奈良市六条西3-25-4 財団法人たんぽぽの家内
TEL 0742-43-7055 FAX 0742-49-5501
Email: rinsyosuruart★popo.or.jp(★を@に変換して送信してください)
※Eメールでお申し込みの際は、件名に必ず「臨床するアート(奈良)参加申込」と明記してください。

たんぽぽ送迎のご案内

近鉄奈良線「学園前」駅南口から、セミナー会場「たんぽぽの家アートセンターHANA」まで、ピストンによる送迎を予定しております。
2日間とも、セミナー開催時/終了時にあわせた運行になります。

2月19日(土)
出発地出発時刻行き先
近鉄奈良線「学園前」駅南口12:00たんぽぽの家
たんぽぽの家17:30近鉄奈良線「学園前」駅南口
たんぽぽの家19:50近鉄奈良線「学園前」駅南口
2月20日(日)
出発地出発時刻行き先
近鉄奈良線「学園前」駅南口9:30たんぽぽの家
たんぽぽの家16:00近鉄奈良線「学園前」駅南口
たんぽぽの家17:20近鉄奈良線「学園前」駅南口