たんぽぽ通信 vol.95

01新年度のごあいさつ

~40年目の奈良たんぽぽの会~

   奈良たんぽぽの会が設立40周年をむかえ、4月29日に、40回目の奈良たんぽぽの会総会を行います。たんぽぽの家を支えるボランティア団体として、さまざまな立場でかかわる地域のボランティアを中心に、スタッフや障害のあるメンバーも加わって役員を構成し活動してきました。月に1~2回ある役員会は、井戸端会議のように度々話が脱線しながらでも、熱くボランティア論をかわしてきました。
   しかし、たんぽぽの家で活動するボランティアのみなさんの状況は40年の歩みのなかで徐々に変わり、「できることはなんでもやる」というスタイルから「私の経験や知識を活かして活動する」というスタイルに変化してきたように感じています。そして、以前は学生から地域の主婦、定年退職後のお父さん方まで、ボランティアの層はとても広かったのですが、その数は減り、薄くなってきたという声が多くあります。

~「HANAまつり」がつなぐ地域のネットワーク~1.jpg

  そのなかでも奈良たんぽぽの会の活動として成果を上げているのが、今年は4月15日に開催する「HANAまつり」です。地域のみなさんが手づくり品を持ち寄るフリーマーケットのイベントで、今年8回目となります。個人、グループなどの出店者は毎年口コミで増え続け、今年は94店となりました。アートセンターHANAの施設内はもちろん、駐車場など屋内外のスペースをすべてと言っていいほど使い切ってお店が出され、当日はHANAまつり一色で盛り上がるのです。
  8年前にオープンしたアートセンターHANAが、障害のあるなしにかかわらずすべての人たちがアートをとおして交流できる地域の拠点となることをめざしたことから、地域の人たちが自分の好きな創作や手づくり品の活動をとおして交流し、ネットワークを広げていけないかとはじめられました。最初の年は50店ほどだった出店者が、自分の好きな活動をとおしたかかわり合いのなかで主体的に交流を広げてきたのです。
  そして、わかってきたのは、ボランティアは減っても、地域には自分が学んだ感性や技術などをいかして社会貢献につなげ、ネットワークを広げたいと思っている人がたくさんいるということです。つまり、アートや新しい文化に触れ、学ぶということは、人生を豊かにしていくことになり、現代においてとても大切な価値をもっているということです。

~「学び」の大切さをあらためて地域に~2.jpg

  超少子高齢時代を迎え、奈良たんぽぽの会が生まれた40年前にはニュータウンだった奈良市内の地域から若い世代はいなくなり、子どもたちの声も聞かなくなりました。こうした地域では、住人の多くが団塊の世代より上の年代となり、豊かに暮らしていくにはどのようにしていけばよいのかが社会的な課題となっています。
  そこで考えるのは、このような時代にこそ、障害者施設が地域の社会資源としての役割を果たし、施設を利用するメンバーだけではなく、地域のすべての人たちに幸福をもたらすことのできる拠点となることです。「障害のあるなしにかかわらず、だれもが学ぶことのできる大切さ」は、たんぽぽ自由学校から連綿と受け継がれてきた価値観であり、奈良たんぽぽの会が40年目を迎えた今年、あらためて取組んでいかなければならないと感じています。
  平成24年度も、みなさんのご支援、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
                                                                                                                                                          成田 修

02橿原コンサートが30回を迎えました!

3.jpg   3月4日、小雨にもかかわらず多くの人たちに観に来ていただきました。1部のオープニングは畝傍南小学校吹奏楽部の素晴らしい演奏から始まり、ゲストのフォーエンジェルは13年ぶりに出演してくれ、以前よりもパワーアップしたステージをみせてくれました。2部では、たんぽぽメンバーの上埜英世さんと伊藤樹里さんが語りを披露し、客席の人たちを魅了していました。(森本)

03わたぼうし応援ツアーinバンコク5.png

  去る2月29日にタイ・バンコクで「第11回アジア太平洋わたぼうし音楽祭inバンコク」が開催されました。その開催に合わせ、日本代表団を応援する為の「わたぼうし応援ツアーinバンコク」2/26~3/1の3泊5日の期間で催行しました。 メインの音楽祭も12都市の代表が集まり、各都市素晴らしい演奏を披露し、とてもバラエティに富んだ内容に、ツアーに参加した皆さんも音楽に会わせて体を揺らして、とても充実した時間を過ごすことができました。
  昨年の11月に行う予定だった当ツアーですが、各種報道でもご存知の通り、未曾有の洪水の影響により、音楽祭の開催自体が延期となってしまいました。その洪水の影響も懸念されましたが、観光先のメインである寺院や、王宮など、洪水の影響を感じさせないほどきれいになっていて、遺跡や寺院を綺麗にするボランティアの人たちの力によって現状まで戻すことができたとのことでした。
 ツアー中には象に乗ったり、夜のバンコクを歩いたり、屋台の出店で不思議な食感のウインナーを食べてみたり・・・タイの魅力をたっぷり満喫できたツアーになったように思います!(浅井)
 

04『奈良のケア2012─ひとめでわかる医療・福祉情報』発行しました!6.jpg

☆「助けられ上手になりましょう」がキーワード

  地震や水害、病気や介護。「いざというとき」は今日にもやってくるかもしれません。今回の特集では、一人ひとりが安心して暮らすための“備え”について考えます。おなじみの「ひとめでわかる医療・福祉情報」のページもリニューアルし、より見やすくなりました。奈良県内の地域包括支援センターなどで冊子を配布しています。(佐賀)

05フィンランドからヨーナさんがやってきた!

北欧のフィンランドから、伝統料理シェフのヨーナ・ピーロイネンさんがやってきました。たんぽぽメンバーといっしょに、伝統的な卵入りポテトパイをつくりました。
   まずはフィンランドの短編アニメを見て、北欧気分を盛り上げてから食堂へ。ゆでたジャガイモに塩、砂糖と牛乳、小麦粉を入れて、ひたすら両手でこねこね混ぜ混ぜ!すでにおいしそうな香りが!ボウルのなかに手を突っ込み、感触を楽しみます。ひと口サイズに形を整えて、その中にご飯とゆで卵とバターを混ぜたペーストを餃子のように包み、オーブンで20分焼いたら完成!ヨーナさんの手作り「たんぽぽ茶」といっしょに試食タイム。「小さいけど、食べたらおなかいっぱいになります!」とメンバーも出来上がりに満足した様子。来年もぜひ来ていただきましょう!(岡部)7.jpg

 協力:スノーコレクティブ/les contes
 

06愛媛でダンスのワークショップを開催してきました!

 3月28日、29日の2日間、ダンサーの佐久間新さん、たんぽぽメンバーの伊藤愛子さん、他スタッフ2名で愛媛大学にてダンスのワークショップを開催しました。
  エイブルアートセミナーの一環として学生や先生、地域の社会人といった様々な方が参加し、佐久間さん、伊藤さんのダンスに真剣で素直なまなざしが向けられていました。愛媛の暖かい陽射しの下、頭のてっぺんからつま先、こころの端っこまでをつかった全身全霊のダンスが繰り広げられました。(渡邊)8.jpg9.jpg

0710.jpg奈良のみやげ

  3月6日に開催された「奈良のみやげ チャレンジ!ビジネスプレゼンテーション」にアートセンターHANAとエイブルアート・カンパニーが協働で出展しました。“障害のある人のアートをCSR活動に使用してみませんか”をテーマに、企業のノベルティや贈答品への活用、作品の著作権を使った機関誌や製品への展開事例を紹介しました。県内では8カ所の福祉事業所が食品を展開するなか、10社ほどの商談をいただき、アートやデザインを通じた取り組みに注目がよせられました。(藤井)
CSR(Corporate Social Responsibility)・・・企業の社会貢献活動
 

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 8年という長い間、主にHANAの清掃ボランティアとして活動してくださった「社団法人奈良市シルバー人材センター」の皆さんが、活動を終了されました。
  活動は主に第4土曜日で、1階2階そしてトイレまで本当にきれいにしてくださっていました。ほとんど休むことなく続けていただくということは、大変なことだったと思います。皆さんの今後ますますのご発展をお祈りいたします。本当にありがとうございました。(家令)
 

09たんぽぽ人物図鑑

 コットンハウスケアスタッフ 石崎(いしざき) 博(ひろし)12.jpg
  

 この3月で、お世話になってちょうど1年になります。週に1日位しか来ないのでまだまだ慣れないこともあり、毎日緊張感をもって仕事しているせいかあっという間に1年が過ぎ去ったというのが実感です。
私自身あと2年弱で還暦を迎える年齢ですので、今までは海釣り等いろいろ楽しんできましたが最近は健康維持と趣味を兼ねて休みの日はもっぱらウォーキングを楽しんでいます。
皆さんとあまり話をする機会はありませんが、お会いした時は出来るだけ笑顔で接していきたいと思っています。これからも体力の続く限り頑張っていきますので今後ともよろしくお願い致します。
 

 たんぽぽ生活支援センター スタッフ 千葉(ちば) 芙巳(ふみ)
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 4月から支援センターとコットンハウスで働いています。大学時代は子どもとキャンプをするサークルで活動していました。趣味は映画を見ること、絵を描くこと、お酒(笑)です。
まだまだわからないことだらけですが、どうぞよろしくお願い致します。